プロ9年目の和田章太郎(26=フリー)が約20ヤードという驚異の飛距離アップを生かし、首位と1打差3位のV戦線に浮上した。

「先週からショットの調子が上がってきていて、昨日も良くて。今日はショットでスコアを作れました」。強風に負けずに67で通算8アンダー。7番パー4では残り110ヤードを60度のウエッジで放り込み「調子が良ければ、こんなこともあるんだ」と手応えを感じながら、スコアを伸ばした。

先輩プロ小田孔明との縁で知り合ったプロコーチ浦大輔を、昨年8月から本格的に師事する。前年のQT失敗で試合に出られないこともあり、スイング改造に着手した。「アドレス、テンポ、考え方とかほぼ全部」というほど抜本的なものだ。

「僕は理論的に理解できず“こうやって”と言われるままなんですが」と恥ずかしそうに笑うが「パッと上げていた」クラブを「ゆっくり」にして、小さかったテークバックを大きく…。気がつけば、弾道測定器の数値ではドライバーのキャリーが280ヤードから300ヤードへ。「アイアンの番手も2つは変わりました」とご機嫌だ。

今季も昨年のQTに失敗したため、スポット参戦が続く。QTで最終まで進めていないから、ツアーでいくら上位に入ろうが、後半戦出場権を決めるリランキングからも除外される。

「コーチや周りから“優勝じゃないと意味ないから、狙っていこう”と言われてますし、僕もそう思ってます」。ツアー優勝もシード実績もない身でも、飛距離アップでゴルフが変わった手応えはある。今年の目標は来季ツアー出場権を得られる「最終QT1位通過」だが、ゴルフ人生を劇的に変える大穴を一発狙っていく。