20-21年シーズン9勝の稲見萌寧(22=Rakuten)が今季14戦目で初優勝を飾った。後続に2打差をつけて首位からスタートし、3バーディー、2ボギーの71。通算7アンダーで逃げ切った。

ツアー通算11勝目は昨年の伊藤園レディース以来出場16戦ぶり。初優勝の19年センチュリー21レディースから2勝目の20年スタンレーレディースまでの出場21戦ぶりに次ぐ、自身2番目のブランクV。また第1日から首位を守る「完全優勝」は、36ホール競技に短縮された昨年5月中京テレビ・ブリヂストンレディース以来、54ホール(3R)以上行われた大会では初めてとなった。

優勝インタビューでは「今季初優勝ができて、とりあえず良かったのが1番。ちょっと苦しかったけど…」。なかなか結果が出ない中で「自分なりに何で勝てないかはっきりしていた。ここ最近上位で終われていたし、そろそろ(優勝が)欲しいなと思っていました」という。またファンに向けて「ずっと応援していただいていたので、お待たせしてすみません!」と声を弾ませた。

稲見はこの日、アウトで2つ伸ばしたが、10番で3パット・ボギーをたたき、7アンダー。12番で7メートルのバーディーパットを決めて8アンダーとした。一時は6アンダーとした菅沼菜々、吉田優利が終盤に崩れるのを横目に、16番パー3では右バンカーの“目玉”から絶妙の寄せを決めてナイスパー。17番をボギーとし、最終18番パー5は同組の新人・岩井千怜と2打差で迎えたが、手堅くパーにまとめた。

大活躍した昨季の影響でオフは多忙を極めた。十分な休養、調整、トレーニングをこなせずにシーズンイン。開幕7戦は予選落ち2度、棄権1度と不本意な結果が続いたが、直近4戦は2位1度、3位2度。この日は今季初の最終日最終組み、今季初めて首位に立って最終ラウンドを迎えていた。