24位から出た大出瑞月(24=サーフビバレッジ)が、7バーディー、ボギーなしの65と7つ伸ばして回り、通算11アンダー、277で5位に食い込んだ。

ホールアウト時点で「65」は大会コース記録に並び、ラウンド中だった首位青木瀬令奈に次ぐ2位。だが2組後ろからスタートした、黄アルム(韓国)が「64」で回って2位に浮上し、大会コース記録を塗り替えられ、ツアー初優勝の可能性も消滅した。

パットが好調だった。2つ目のバーディーとなった前半5番パー3で、5メートル余りを沈めると勢いが加速。10番パー4では8メートル余りを決め、最後のバーディーとなった14番パー3も6メートル余りを沈めた。ホールアウト後は開口一番「(パットが)入ってましたね」と、人ごとのように話し、大笑いした。

第2ラウンド終了時点で首位に立ち、前日2日の第3ラウンドは初めて最終組で回った。そのため、いつも通りに練習をこなしてホテルに戻り、食事を取り…、とこなしていると「いつもよりも寝る時間が遅くなった」という。ただ、これがかえって感覚を研ぎ澄ましたようで「朝からパットの感覚が良かったんです」と、この日の好スコアにつながる、思わぬ最終組を経験した効果が出た。

「昨日(第3ラウンド)が4オーバーだったので、その分を取り返そうと、4アンダー(68)が目標でした。後半の早い段階(10番)で4アンダーに到達したので、あとは『貯金』と思ってやっていただけでした」と、無欲のプレーだったと振り返った。

ただ、同組で回った元賞金女王のイ・ボミ(韓国)も「タッチが素晴らしかったし、ラインを読むのも自信を持っていて、うらやましかった。教えてもらいたい」と、絶賛していた。それを伝え聞くと、大出は「いやいやいや」と恐縮。むしろ、イ・ボミのパットを参考にしていた時期があったと明かした。「昨日のスコアが本来の調子ですから」と、4日間のうち3日間で60台をマークしても浮かれた様子はなく、次戦以降を見据えていた。

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