黄金世代(98年度生まれ)の大里桃子(24=伊藤園)が6バーディー、1ボギーの67で通算7アンダー、137、29位から2打差5位に急浮上した。序盤11番パー3でバンカーショットをシャンク。打球がカメラマンに当たって止まり、ナイス・ボギーで切り抜け、その後に猛チャージを決めた。同世代5人目の国内メジャー制覇へ、好位置をキープした。山下美夢有、菅沼菜々、川岸史果が同9アンダーの首位で並んだ。

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想定外のミスを、想定外の形で救われた。序盤の11番パー3。大里がグリーン右前バンカーから、ピンまで15ヤードの第2打をシャンクし、打球は右前方に陣取ったカメラマン4人の1人の足元に当たって、ラフで止まった。球は浮いた状態で申し分のないライ。10ヤードのアプローチを1メートルに寄せ、1パット・ボギーで切り抜けた。

もし“壁”がなければ、球はグリーン奥下深くにこぼれ落ち、ダブルボギー以上の可能性が高かった。

「ぼうぜんとしてました」という大里は「バリバリ寄せるつもりだったのに、シャンク。カメラマンさんに当たってなかったら、ダボもあったと思う」。

打球の当たったカメラマンにはすぐに謝罪した。幸いけがもなく、12番ティーグラウンドでおわびのボールを渡し、再び謝った。

全く何が流れを変えるか、わからない。“打球事故”の後は快進撃だ。13番から3連続、第1R難易度1位の18番、3番、5番と6バーディーを奪った。

2週前までは4戦連続で予選落ちだった。前週ゴルフ5レディースは29位だったが、パットのフィーリングが気持ち悪すぎ、ショートパットを「目をつむって」の“心眼”で打つ場面もあったという。

ツアー通算3勝目を、国内メジャー初タイトルで飾れるか。「パットはこの2日間、そこまで気持ち悪くない。でも、2週間前までは全然余裕がなくて。こんな上位にいるのはホントたまたまです」。何より「カメラマンさんのおかげです」-。思わぬ形で手にした流れを、残り2日につなげたい。【加藤裕一】

◆黄金世代の国内メジャーV 4人が達成。畑岡奈紗が4勝(16、17、19年日本女子オープン、19年日本女子プロ選手権)。原英莉花が2勝(20年日本女子オープン、LPGAツアー選手権)。渋野日向子が19年サロンパスカップ、勝みなみが21年日本女子オープンで優勝。