3戦ぶりに進出した決勝ラウンドで、13位から出た渋野日向子(23=サントリー)が、66の好スコアをマークした。7バーディー、1ボギーと6つ伸ばし、通算12アンダー、204。古江彩佳ら首位と1打差の4位に浮上した。今季初優勝、メジャー初出場で優勝した19年のAIG全英女子オープン以来、3年ぶりの米ツアー2勝目に大きく近づいた。

アウトコースの前半は、1番パー4でボギー発進した。フェアウエーからの第2打をグリーン左奥のラフに入れると、第3打のアプローチはグリーンに届かないミス。4オン1パットで1つ落とす滑り出しとなった。それでも直後の2番パー3で、同組で回った上原彩子がホールインワン。もう1人の同組、ブルック・ヘンダーソン(カナダ)も自身もハイタッチで祝福するなど、組全体の雰囲気が明るくなり、後押しされるように、3番からはバーディーラッシュとなった。

3番パー4は、第2打を1・5メートルにつけて最初のバーディーを奪った。スタート時点の6アンダーに戻すと、5番からは3連続バーディー。5番パー5は、第3打のアプローチを30センチにつけて難なく伸ばした。6番パー4も第2打を50センチにつけるなど、ショットが好調。7番パー5は2オンに成功し、8メートルのイーグルパットを20センチに寄せて楽々バーディーとした。9番パー4は15メートルのパットを沈めて5つ目のバーディー。グリーン上の距離感もさえを見せ、4つ伸ばして折り返した。

後半はボギーなしで回りきった。11番パー4は、第2打を70センチにピタリとつけて6つ目のバーディー。その後は丁寧にパーを拾い続けると、最終18番パー4は、フェアウエーからの第2打を3メートルにつけてバーディーで締めた。上位陣はラウンド中ながら、今季初優勝を射程にとらえる位置から、最終日に臨むことになった。

ホールアウト後は「今日は全体的に、ショットがすごく安定していて、スタートホール以外は、ほぼほぼ、いい内容で回れたかなと思います」と、堂々と話した。71で回った前日の第2ラウンド終了後は「ムチャクチャなゴルフだった」や「モヤモヤが残るラウンド」と話していたが、この日は「3日間の中で一番よかったかなと思います。すごくいい流れ」と、充実感を口にした。

グリーン上も好調で、9番パー4では15メートルのバーディーパットを決めた。「あれはすごいラッキーでした。セカンドショットをちょっと引っかけてしまったので『寄ればいいかな』と思っていたのが入ってくれたので、またまたラッキーでした」と、笑顔で振り返った。ボギーの1番こそミスしたが、アプローチも好調で「ウエッジも、かなり距離は合ってきたかな。ウエッジの距離感がいいからこそ、チャンスにつく回数も多い」と、自己評価した。

ショットにパット、さらにアプローチと、全てがかみ合ってきた。首位から2打差に9人、3打差に13人と、最終日は大混戦で始まる。「明日も、もっといい内容のゴルフができるように、しっかりと悔いの残らないように頑張りたいと思います」。今季初優勝への意欲をにじませていた。