昨年6月開催の20年度プロテストで合格した松本珠利(22=田辺CC)が3アンダー、69の2打差7位で滑り出した。15番で4メートルのパットをねじ込むなど数回の“ガッツ・パー”を決めてのノーボギー。下部ツアー通算13戦、23ラウンド目で初の60台につながった。

「刺激ですか? ある。あります。でも、意識しすぎても良くないと思うので」。岩井千怜が同期合格一番乗りのツアー優勝を飾り、昨年11月プロテスト合格の川崎春花、尾関彩美悠が「19歳2週連続V」で注目を集めた。

特に川崎の日本女子プロ選手権優勝には刺激を受けた。同じ京都出身。学年は3つ下だが「京都はジュニアが少ないから」(松本)小学校の頃から同じ大会でプレーした。同選手権の予選会で落ちた松本は、テレビで川崎の快挙を見た。

関西人の知り合いに「珠利ちゃんも頑張らんと」とか言われるのか、と問われて「本当にそのまんまの感じで言われます」と笑う。

昨年、左肩甲骨を痛め、QTを受けられなかった。今季の下部ツアーは、新人プロに与えられる1シーズンの出場権を使っており、今大会が“最終戦”の可能性がある。

「私、5番アイアンに苦手意識があるんです。その意識のせいか、重く感じていて」。指2本分余して握っていたグリップを、指4本分まで余して短く持つようにした。すると、この日の6、11番でバーディーにつながるショットが打てた。苦しみの中、光を感じた1日だ。「まだまだごまかしているところがある。1打1打集中して、残り3日も頑張りたい」。年下の活躍を頭の片隅において、1歩ずつ前に進んでいく。