米女子ツアーでルーキーながら今季初勝利を挙げた古江彩佳(22=富士通)が、国内ツアーでも勝った。

ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ大会で、首位から出て3バーディー、ノーボギーの69で回り、通算16アンダー、200で大会連覇とともに国内ツアー通算8勝目を挙げた。

優勝がかかる最終日、なかなかパッティングが決まらす耐える展開が続いた。最初のバーディーは5番パー4。ピン左から7メートルのパットをねじ込み、14アンダーとこの時点で2位に3差をつけた。その後も我慢の展開が続き、後半に入ったところで6バーディーと伸ばしてきた岩井明愛に並ばれた。その後は一時岩井に逆転を許すも、16番パー5で2つ目のバーディーで再び首位に並ぶ。最終18番決着となった優勝争いは、第2打をピン手前4メートルにつけ、これを決めてバーディー。岩井を振り切って優勝を決めた。

前週のメディヒール選手権に出場した後、今週の火曜日の午前4時に羽田空港に到着。その足でコース入りし、練習ラウンドを行った。「日本のキャディーさんと久しぶりなので、距離感のつかみとか練習ラウンドでやらないと把握できない」と過去に2度も優勝しているコースでも事前のチェックを怠らなかった。

昨年は終盤のこの大会から3勝。稲見萌寧との壮絶な賞金女王争いを演じた。大会スポンサーの富士通と所属契約を結び、米女子ツアーの過密スケジュールの中、たまたま試合が空くと「余計に富士通へ出ようという思いが強くなった」と出場を決断した。

今季からルーキーとして参戦した米女子ツアーでは、24戦で予選落ちはわずか3回。7月にはスコットランド・オープンで初勝利も挙げた。身長153センチとひときわ小さく、ドライバーの平均飛距離も249・28ヤードで全体の135位。それでも「私の武器はドライバー」と言い切る。

正確なティーショットでフェアウエーをしっかりとらえ、アプローチショットでチャンスを確実にものにする堅実な戦い。米国で磨きをかけたウェッジは「米国では日本よりウェッジが必要になる」と練習に力を入れ、新たな武器に加えつつある。第2日のイーグル2つもパッティングよりウェッジで取ったことを喜んだ。

米国での安定した戦いは「緊張したことがない」という強い精神力に加え「疲れづらいことが強さにつながっていると思う」という体の強さにある。米女子ツアーでは現地で米国人のキャディーを雇い、1年目から英語で会話しながら戦う。「(米国は)楽しい。うまく楽しめているところもある。新しい経験がどんどんできるし、いろんな新しいメンバーと会話できたりして楽しい」と新たな挑戦を楽しんでいる。

今後について聞かれると「(米女子ツアーの)最後が終わった時点で考える。目標はなく、目の前のことしか目を向けられない。集中する段階しかできない」と話した。22歳。まだまだ伸びしろ十分の古江が、今後どのような未来をつくっていくのか。