女子プロゴルファー渋野日向子(24=サントリー)が主催する「渋野日向子杯 第1回岡山県小学生ソフトボール大会」がクリスマスの25日、岡山県野球場で行われた。

渋野は8歳から岡山・平島スポーツ少年団でエースとして活躍した。この日は協賛社、参加した子どもたちに「私を育ててくれたソフトボールに恩返ししたかった」とあいさつ。スナッグゴルフを指導し、お菓子を配り、ホームラン大会などのアトラクションや地元局のテレビ中継でゲスト解説を務め、最後は子どもたち約300人相手にサイン会を開き“サンタ”の役目を果たした。

始球式では想定外のハプニングもあった。「HINAKOハート」のネーム入りグローブを手に登場し、堂に入ったウインドミル投法を披露したが、岡山県総社市出身で20年東京五輪ソフトボール金メダリストの特別ゲスト・原田のどか(31)に一ゴロを打たれた。

現役バリバリの原田が「打っちゃおうかな」と打席に入って決めた“真剣勝負”とあって、渋野にはまさかの一撃だったが「打っていただけるとは…」と大感激。マウンドで「打たれた~!」と大声を挙げ、19年全英女子オープン優勝時のように大きく右手を突き上げた。

プロスポーツ選手の“使命”とも言える社会貢献活動だが、これだけ大規模で本格的なものはプロ5年目で初めて。「地元の岡山で、県営球場でなんて夢のよう」。寒空の下、子どもたちが元気いっぱいにプレーする姿を見て「忘れていたものを思い出させてもらった」と言う。大会は来年以降も続けていく方針だ。

また同郷の原田と実質初対面で言葉を交わした。イベント開始前に原田が持参した金メダルを掛けさせてもらった。「重かった。鳥肌が立った」。

大きな刺激を受けた。「さらに、もっと強くなりたいと思いました」。このオフのテーマは「まだすべてボロボロ。一からやり直す」。米ツアー参戦1年目、スイング改造後のドライバーショットはフェアウエーキープ率が上がるなど安定感が出て来た。「でも、ドライバーより短いクラブは全部、精度が欠けすぎている」。来年のシーズンインは2月23日開幕のホンダLPGAタイランド。短いオフだが、レベルアップに取り組んでいく。