ゴルフの国内女子ツアーは明日2日、ダイキン・オーキッド・レディース(沖縄・琉球GC)で開幕する。今季限りで日本ツアーからの引退を発表した15、16年賞金女王のイ・ボミ(34=韓国)が28日、公式練習後に会見を行い、「良い思い出ができるように頑張りたい」と意気込んだ。決断に至った経緯や理由も明かした。

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笑顔で会見に臨んだイ・ボミには、日本ツアー引退への迷いはもうなかった。「全国のファンの皆様に今までの感謝の気持ちを伝えたくて、早く言った方がいいかなと思って」。開幕直前の発表理由を明かした。

11年に日本ツアーに参戦。15年7勝、16年5勝を含め、日本国内ツアー通算21勝を挙げた。引退を考え始めたのは5年前。「18年からショットやスイングも悩みが出てきて、自分のプレーがあまりできなかったし、賞金女王に2回なった後、目標がなかった」。成績も伸び悩み、昨季は14試合に出場。メルセデス・ランキング104位に終わった。これまでの苦悩を明かした。「選手がいい成績が出ないで、何でゴルフが楽しいかとすごくずっと心から思っていた。お母さん、家族、ファンの皆さんが喜ぶ姿が好きだったので、それが見えないのが気になって、それも辞める理由になった」。28歳までは頑張ろうと思っていたという。「結構、長くできたかな」とすがすがしく言い切った。

13年に日本女子プロ選手権で優勝。優勝者の権利で今後も出場できる。「出たいけど、遊びで行く姿勢はダメ。ツアー選手は全部努力していかない」。プロだからこそ出ない意向だ。

現段階では、開幕戦を含む4試合に出場予定。延田グループ・マスターズGCレディース(10月19日開幕、兵庫)が最後と決めている。「所属プロなので引退試合はそこしかない」。個人としては「成績の話じゃなく、応援されているありがたさだけを感じて終わりたい」。ファンには「頑張っている姿を見てほしい」。懸命なプレーで感謝を伝えていく。【近藤由美子】