ツアー通算17勝の上田桃子(36=ZOZO)が8位で出て、5バーディー、1ボギーの68で回り、通算5アンダー、139で首位に4打差の3位に浮上した。渡辺彩香が9アンダーで単独首位をキープ。森田遥が3打差の2位。上田、2イーグルを決めた稲見萌寧、地元・沖縄出身の女子大生ルーキー荒川怜郁(れいか)が3位につけている。今季限りで日本ツアー引退を発表したイ・ボミ(韓国)は予選落ちした。

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桃の節句に合わせたように、上田桃子が安定したプレーで順位を上げた。10番インからのスタートで、11、12番と連続バーディー。前半は3バーディーと伸ばし、後半も2バーディー、1ボギーにまとめた。「ロングホールを取れず、伸ばしきれなかった感覚がある。でも、危なげない感じでずっと回っていた。全体的にはまずまずかな」と合格点をつけた。

昨季は悲願の国内メジャーVにまた手が届かなかった。「がっくりきた。今シーズンはモチベーションを作るのが難しかった」。考えを変えた。「いろいろな目標を立てるのは不安を消したいから。でも、やることは変わらない。目の前のことを一生懸命やっていくことだけ。やりたいこと、思ったことに、感情のまま動こうと思った」。

1月に10日間、イタリアを旅行。夫、母、友人の4人でミラノを含む4都市を回った。旅行中もトレーニングはしたが、初めて10日以上クラブを持たなかった。「あらためてゴルフをしたいと思った。スタートが遅れた分、高い集中力で練習に臨むことができた」。充実したオフが、結果に結びつこうとしている。

首位と4打差の3位。好位置で決勝ラウンドを迎える。「この大会は風が吹いた時の応用力が求められる。対処できていないところがあったので、天候にもよりますが、その辺が不安材料」と気になる点を上げた。一方で「ショットは悩まずに合宿でやってきたことを出せている感じ」と手応えはある。昨年4月富士フイルム・スタジオアリス女子以来となる今季初Vへ。心身ともに充実したオフを過ごし今、視界は良好だ。【近藤由美子】

○…渡辺彩香が3バーディー、ノーボギーの69と伸ばし、単独首位をキープした。オフにスイング改造に着手したが「今日も狙い方など、いろいろ決めてやり切れた。初日に浮かれることなくしっかりできたかな」と合格点をつけた。昨年は首位発進も、最終的に4位に終わった。決勝ラウンドに向けて「スイング、球筋も変わって、去年は去年、今年は今年という気持ちはある。去年の反省を生かしていけたら」と意気込んだ。

○…青木瀬令奈は18位から出て、4バーディー、1ボギーの69で回り、通算3アンダー、8位に浮上。好位置で予選を突破した。「要所要所でパッティングが決まってくれた」と振り返った。1月に沖縄合宿を2週間行い、大会コースも何度か回った。04年大会を制した宮里藍のキャディーを務めた次兄の宮里優作から、コースの攻略法をアドバイスしてもらったという。「今回は開幕に向けてしっかり準備してきた。オフの取り組みもうまくいっている」と自信をのぞかせた。

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