青木瀬令奈(30=リシャール・ミル)が最大8打差を大逆転し、今季初勝利をつかんだ。8バーディー、ノーボギーの64、通算17アンダーの199で3日間を終えた。昨年7月の資生堂レディース以来となるツアー通算4勝目。4打差2位は笹生優花。

ホールアウト後のテレビのインタビュー。青木は両手を上げて喜びを語った。「オフを充実して過ごすことができて、いい仕上がりで臨むことができました。ほっとしています」。3日間ノーボギーの完ぺきなゴルフで、通算17アンダーは大会記録を更新。「うれしい! ピンチもありましたがパーセーブできて結果的にノーボギー。開幕から安定していた」と安堵(あんど)の表情だった。

青木は同じ最終組で、首位で最終日を迎えた上田桃子とは、4打差の2位から出た。前半に3つ、後半に5つ伸ばし、14年一ノ瀬優希、17年菊地絵理香が記録した通算14アンダーの大会レコードを更新した。

5番パー4を終えた時点では、1番パー5から5連続バーディーの上田と8打差に広がっていた。前半3バーディー、ノーボギーと3つ伸ばして回り、後半に入っても勢いは衰えなかった。

12番パー3でバーディーとし、首位の上田に1打差と詰め寄った。13番パー5でもバーディーとし、この日2つ目のダブルボギーとした上田を一気に逆転。青木はさらにバーディーを積み重ね、2位以下に差を広げて逃げ切った。

第1、2ラウンドとも「結構、際どいのが入ってくれて良かった」と振り返るなど、今大会はパットが光った。好調の要因を「毎週パターを変えている。今週もセンターシャフトのパターに変えて、それがハマってくれた」と明かしていた。最終日前日には「久しぶりの優勝争いなので、今やるべきことをやりつつ、明日を迎えたい」。上田、稲見萌寧と最終組で回った。1番から5連続バーディーとロケットスタートの上田を横目に自分のプレーに集中し、勝利をもぎ取った。

今後に向けては複数回優勝を掲げた。「昨年も一昨年も1勝だったので、今年こその気持ちです。どんどん強くなって優勝を重ねていきたい」と力強かった。

▽青木瀬令奈が達成した記録

▼54ホール以上ノーボギー 昨年10月のスタンレー・レディース(静岡・東名CC)で小祝さくらが達成して以来、史上14人目。72ホールでは、昨年8月の楽天スーパー・レディースで勝みなみがツアー史上初めて達成。

▼大会記録 通算17アンダーは、14年一ノ瀬優希と17年菊地絵理香の通算14アンダーを更新。

▽青木瀬令奈の今季3勝

◆17年ヨネックス・レディース 雷雲接近のため第1日が中止となり、36ホールの短縮競技として行われた。最終日に首位と4打差の13位からスタート。6バーディー、ノーボギー、通算4アンダーで、デビューから7年かかってツアー初優勝。

◆21年宮里藍サントリー・レディース 最終日に首位稲見萌寧と4打差の2位でスタートし、5バーディー、ノーボギーの67をマーク。稲見に逆転勝ち。

◆22年資生堂レディース 初の逃げ切り優勝となった。最終日は4日連続60台となる69をマーク。菊地絵理香ら2位との差を2打に広げた。通算14アンダー、274で大会コース記録を2打更新。