鈴木愛(28=セールスフォース)がレジェンドの「不動心」で1年9カ月ぶりの優勝を引き寄せる。

首位タイから出た第2日は6バーディー、1ボギーの67で回り、通算10アンダー、134で、2位に3打差をつけて単独首位に立った。

今季開幕戦ダイキンオーキッドレディースではツアー通算50勝、永久シードの不動裕理(46)と一緒にラウンド。レジェンドからの学びを好調につなげている。

表情は変わらない。鈴木は前半から3バーディーを奪い、単独首位に立つも、後半11番パー3でアプローチが寄らず、今大会初のボギーをたたく。それでも動揺せず「めっちゃ久しぶりのボギー、こんなこともあるよね」と受け流した。

「不動心」。開幕戦でラウンドしたレジェンド不動から学んだことの1つだ。憧れの不動とは初のラウンド。

「質問をしまくって、得たことはたくさんある。心に刺さったものも」

プレー中のこと、練習のこと、モチベーションについて。話は尽きず、携帯番号を聞き出し、プライベートでもラウンドするお願いをした。

「もっと具体的なことを聞きたい」と貪欲に言った。

19年シーズンに年間7勝を挙げ、渋野を振り切って2年ぶり2度目の賞金女王を獲得。だが、その後の優勝は1回。一時はモチベーションの低下に苦しんだが、ツアー50勝の不動の話を聞いて気持ちは変わる。

「自分は17勝。まだたいしたことはない。くさらずにやらないと」と思い直すことができた。

2位以下に3打差をつけて、残り2日の決勝ラウンドを迎える。

「2日間、淡々とできている。スコアや、周りのことを考えず淡々とやるだけ」

1年9カ月ぶりの優勝へ「不動心」を貫く。【田口潤】