賞金王2回の今平周吾(30=ダイヤ)が逆転勝ちで開幕戦勝利を挙げた。首位と2打差の4位で出て、8バーディー、ボギーなしの63で回り、通算20アンダー、264で優勝。昨年5月のゴルフパートナー・プロアマ以来ツアー通算8勝目を挙げた。2打差の2位に首位で出た星野陸也。同じくトップで最終組を回った石川遼は3打差の3位だった。

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最終18番パー4で約2メートルのバーディーパットを沈めると、今平は力強く右拳を握りしめた。「最後にバーディーで上がれば優位になると思っていた。自然とガッツポーズが出た」。最終組の石川、星野らよりも2つ前の組で回り、後半に3連続を含む6バーディーをマーク。怒濤(どとう)のバーディーラッシュをかけて逆転し、突き放した。

我慢のゴルフが続いた前半、9番パー4で約2メートルのバーディーパットを決めて勢いに乗った。「あれが入ったことでイメージが良くなり、後半につながった。初戦で優勝できて、最高の滑り出しかな」。

この日はアイアンショットがさえた。その正確なショットを生み出す原動力となったのは、オフに取り組んだ階段ダッシュだと自己分析する。埼玉県入間市の実家近くにある展望台。昨年12月、約200段の階段を毎日のように10往復した。理由については「初心を忘れないように、というわけではないんですが…」と照れ笑い。中学時代から何度も駆け上がってきた階段でダッシュを繰り返したことが“開幕奪取”につながった。

昨季は2勝をマーク。その数字を超えることをまずは目指す。「今年は3勝が目標。次の試合も優勝する感じで挑んでいきたい」。元賞金王が、開幕から突っ走る。【奥岡幹浩】