米男子ゴルフツアーの今季メジャー初戦、マスターズ(6日開幕)初出場の比嘉一貴(27=フリー)が3日午前、会場の米ジョージア州・オーガスタ・ナショナルGCで練習ラウンドを行った。1番からスタートし、ハーフ9ホールを1人で回った。

開口一番、コースの印象を「テレビより難しいですね」と明かした。「ティーショットからトータル的に1つでも落とすと、すぐにボギー、ダブルボギーとなってしまう。非常に神経を使って打たないといけない」。特にアプローチやパットなど、グリーン周りを入念にチェックした。「(時間が)足りないですね。もっとやっていいのか、やったらだめなのかなとか分からなくて」。初出場ならではの戸惑いも経験した。

6番パー3でティーショットをピン約30センチにピタリとつけて、パトロン(=観客)を沸かせた。「勝手に傾斜で寄ったらしく。おにぎりを食べ始めて見てなくて、何で沸いているんだろうと」と照れ笑い。「本番だと何倍もの大きな歓声になると考えたら、すごい楽しくいい瞬間でした」。

初出場にあたり、過去の試合動画を見てきたという。出身大学の先輩で21年覇者の松山英樹からは「残り170ヤードくらいから、打ち上げで左足下がりからのショットが求められる状況は日本ではなかなかないので、練習場で練習した方がいいよ」などとアドバイスされたという。

4日は松山と練習ラウンドを行う予定。「僕の英語力では何を言っているかは定かではなかったですが、ティーショットは1球で、その後は2球打っていいみたいな感じでした。明日、先輩が(ティーショットで)2球打ったら2球どうかなって、ついていこうと思います。予選のピンポジションについても先輩に教えてもらいます」と話した。

マスターズ・ウイークが始まったばかりの月曜日だが、大勢のパトロンが詰めかけた中での練習ラウンドだった。「大会の雰囲気にのまれないよう、ここで自信を持ってやらないと気持ちの面で押される。できる気がしないんですが(笑い)、状況もその状況で楽しめたら。こういう場に出ることがいい経験になる。また戻ってきたいと思えるようなプレーができたら」。

今回は昨年の日本ツアー賞金王として特別招待された。「昨年は世界ランキング50位以内を目指してそこから入ることを目標にやっていましたが、少し届かなかった。今回呼んでいただいて、本当にラッキーだなと思いますし、このラッキーで来年の出場権を得られる順位に入れば、またそれもいろいろつながる。しっかり頑張りたい」。来年の出場権を得られる12位以内を目指す。