首位から出た中島啓太(23=フリー)が1イーグル、7バーディー、3ボギーの66で回り、通算24アンダー264で今季3勝目をあげた。

03年に片山晋呉が記録した大会最少記録を1打更新し、ツアー通算4勝目。賞金ランキングは1位に再浮上し、来週終了時に1位キープなら、12月に行われる、米ツアーにつながる下部ツアー最終予選会の出場権が得られる。夢だった世界の舞台へ近づいた。

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最終ラウンド、中島は首位を1度も譲らず。2番を1メートル、3番を4メートルにつけ連続バーディー。5~7番では1メートル、2メートル、50センチにつけ3連続バーディーを奪った。一時は1打差まで詰め寄られたが、15番パー5で残り264ヤードの第2打を2・5メートルにつけイーグル。18番もバーディーで締めた。

自身初となる赤色ウエアでプレーした。意識したのは2週前のZOZO選手権を制したコリン・モリカワだった。プレー、人間性にもほれ込む3歳年上のメジャー・チャンピオンが最終日、赤色でプレーしており、ならったわけだ。

「ZOZOの勝ち方が鬼みたいな勝ち方だった。それで僕も意識して赤いウエアを着た。2位にも差をつけられたし、コリンみたいな雰囲気で終われたかな」

ZOZO終了後にしっかり体を休め、練習を積んだことで「今週は今までの優勝(時の大会)より調子が良かった。たくさん練習もでき、自信を持って自分のゴルフをすれば勝てると思った」。片山が03年にマークしたトーナメントレコードを1打塗り替え、「光栄なこと」と振り返った。

金谷と抜きつ抜かれつを繰り返してきた賞金ランキング1位も奪い返した。来週もキープすれば、夢の米ツアーへの道も近づく。約1950万円の差をつけたが、来週の三井住友VISA太平洋マスターズは金谷が初優勝を飾った舞台。「負けないように頑張りたい。結果次第で向こう(米国)に行きたい」と譲るつもりはない。【阪口孝志】

◆米ツアー、下部ツアー最終予選会の出場資格 翌年度の出場資格を決定するためのトーナメント。通称「Qスクール」。11月13日時点でジャパンゴルフツアーで今季公式賞金ランキング1位には、最終予選会の出場資格が与えられる。最終予選会は12月14~17日に米フロリダ州で行われ、トップ5に入ればPGAツアー出場権、トップ40なら下部のコーン・フェリーツアー出場権が得られる。