歓喜の涙が頬を伝った。元賞金女王で21年東京オリンピック(五輪)銀メダルの稲見萌寧(24=Rakuten)が約1年2カ月、434日ぶりの復活優勝を挙げた。1打差3位で出て4バーディー、1ボギーの69で回り、通算22アンダーの266で競り合いを制した。昨年8月のニトリレディース以来通算13勝目。優勝者が獲得する来季の米ツアー出場権について「新しい未来が開いた」と意欲を見せた。

秋晴れの空の下での勝利者インタビュー。優勝直後は笑顔だった稲見の目から、歓喜の涙がこぼれた。「今年は苦しい時期のほうが多かった。優勝できて良かった」と実感を込めた。

最終日は3位でスタート。前半首位に並んだ場面もあったが、1打差2位で折り返した。12番パー5でピン2メートルに2オン成功。イーグルチャンスは外したものの、バーディーを挙げて単独首位に立った。その後、桑木、ペ・ソンウ(韓国)と3者による競り合いになり「緊張で苦しかった」。それでも17番パー5、約9メートルに2オンさせてのバーディーで勝利を引き寄せた。

コロナ禍で統合された20-21年は賞金女王に輝き、21年東京五輪では銀メダルを獲得した。今大会で5年連続ツアー勝利も今季は苦しんだ。「毎年必ず1勝を挙げることを目標に頑張ってきたけれど、今年はなかなか結果を残せなかった。勝てないのではないかという気持ちのほうが強かった」と吐露する。

4月から6月にかけては予選落ちが続いた時期もあった。「練習しても意味ないのではと思う時もあった」と苦悩したことも明かす。それでも6月から新コーチとなった柳橋章徳氏から指導を受け、球をたたく意識を持つようになったことでスイングが改善された。先月からパッティングコーチを務める22歳の大学生、須藤大和氏の存在も大きいとうなずく。「チームみんなのおかげで勝てた」と感謝した。

日米共催の今大会で優勝したことで、来年の米ツアー出場権を手にした。参戦については、熟慮し、チームとも相談したうえで決めたいと前置きしつつ「新しい未来が開いた」と表現。世界の舞台で戦うことについて、前向きな意向をにじませた。【奥岡幹浩】