<女子ゴルフ:マンシングウェアレディース東海クラシック>◇最終日◇21日◇南愛知CC美浜コース(6428ヤード、パー72)◇賞金総額7000万円(優勝1260万円)

 綾子を超えた!

 不動裕理(31=フリー)が激闘を制して今季3勝目、ツアー通算45勝目を挙げた。首位に5打差の8位から67をマークし、通算8アンダーで上田桃子(22)新崎弥生(27)と3人によるプレーオフに突入。ホールアウト後の雷雲接近による競技中断などで約2時間半も待たされたが集中力を切らさず、1ホール目でバーディーを奪った。これで同じ通算44勝だった岡本綾子を抜き、大迫たつ子と歴代3位で並んだ。

 鋭い“眼力”で難しいフックラインを読み切った。プレーオフ1ホール目の18番パー4。不動はピン右手前からの7メートルをねじ込み、右手を上げて歓声に応えた。続く上田と新崎のバーディーパットが外れて勝負あり。雨中のドラマが展開されたグリーン上でカップを掲げ「(待っている間に)帰ろうかと思ってました」とギャラリーを笑わせた。

 5打差8位スタートからスコアを5つ伸ばしてホールアウト。直後に雷で競技が1時間20分も中断した。再開後に上田が1打抜けだし、あきらめかけたがプレーオフに突入。「2位と思っていたので本当にラッキー」。不動はプレーオフ開始まで合計2時間半も待たされたが、集中力を持続。空が薄暗くてもグリーンの傾斜が見えるよう、開始直前に目薬を差していた。効果てきめんだった。

 先週の日本女子プロ選手権で34位に終わったが「自分のことがよく分かった」と復調を宣言していた。“分かった”のは夏場に不調だったというパット。今週は強めを心がけ、本来のリズムが戻った。今季3勝一番乗り。一方でトップ10入りも3度と成績の浮き沈みが激しく「一発屋と言われますね。恥ずかしい」と笑った。3勝以上挙げたシーズンはいずれも賞金女王に輝いており、今季のランキングも9位に浮上した。

 「綾子超え」の国内通算45勝目には「岡本さんは向こう(米国)でも賞金女王になられているし、数字だけでは超えられない」。先週はバンカーショットを教わったという。「本当によくしてもらってます」。偉大な先輩に追いつくため、不動は進化を続ける。【大池和幸】