<女子ゴルフ:アクサ・レディース>◇第1日◇28日◇宮崎・UMKCC(6470ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 プロ4年目の森美穂(21=フリー)が3アンダー、69で首位と3打差6位につけた。後半5番パー4(391ヤード)でプロ初イーグルを奪うなど、スコア、第1日順位ともプロ自己ベストをマーク。アイドル級のビジュアル系が、男子の永久シード選手・片山晋呉(41)に弟子入りしてロケット発進だ。

 森は残り163ヤードを11番ウッドで打った。第2打はグリーンにキャリー、ラインに乗ってカップに転がり込んだ。後半5番で飛び出したプロ初イーグルで、3アンダーへ。「久しぶりですよね。記憶がないです」。プロ転向後では初、アマチュアだった09年10月大塚家具レディース最終日以来4年5カ月ぶりの60台となる69に、照れ笑いを浮かべた。

 アマチュア時代からアイドル並みのルックスで注目され、ツアー競技でも5度のローアマを獲得した。しかし、11年のプロ転向後は鳴かず飛ばず。プロテストに3年連続で失敗。ツアープロになるQTも2度失敗。トーナメント・プレーヤー・デビジョン(TPD)登録して、ツアープロデビューしたのは昨年だ。

 超一流の男子プロ片山と出会い、流れが変わった。2月下旬に単身合宿中の宮崎で、先輩プロの北田に紹介され、即入門。「まだゴルフのゴの字もわかってないね」と言われた。グリップ、アドレスから直され、左手だけでウエッジを約20ヤード打つ練習を連日数百球。片山の「今やってる練習は漢方薬。即効性はないけど、ゴルフが根本から改善されるから」という言葉を信じて「基礎の基礎」を繰り返す日々を送る。

 今大会はウエーティングからの繰り上げ出場。「明日からも無欲に行きます」。今年も4月の2次試験からプロテストに挑む。「やはりプロのライセンスはほしいので」。真のプロへ。やっと1歩踏み出した。【加藤裕一】

 ◆森美穂(もり・みほ)1992年(平4)12月19日、三重県生まれ。ゴルフは3歳から。福井工大福井高時代の09年に日本ジュニア優勝、日本女子オープン23位。11年にプロ転向したが、プロテストは昨年まで3年連続で失敗。13年ミヤギテレビ杯ダンロップで18位。157センチ、49キロ。家族は両親、兄2人。