中長距離のエース高木美帆(23=日体大助手)が、来年2月の平昌五輪でのメダル獲得を期待させる圧勝劇で2連覇した。1500メートルで、今年2月に自身が作った1分56秒07の国内最高記録を更新する1分55秒44をマーク。今季開幕戦で、4カ月後の大舞台に向けて好スタートを切った。

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 高木美が五輪金メダルを見据えたレースをした。個人種目では本命の1500メートル。今まで700~1100メートルのラップは抑え気味に滑っていたが、トップスピードを維持して最後の1周400メートルに入り、2年連続の国内最高記録を出した。

 課題は最後の400メートル。トップスピードで入った影響で、最終ラップは1秒62落ちた。この遅れを1秒に収めることができれば、金メダルが見えてくる。スピード、スタミナの両方が問われ、女子では簡単ではないが、ナショナルチームの強化もあり、フィジカル能力は上昇中。コーナーワークなど、細かい技術を修正すれば、あと4カ月で実現は不可能ではない。

 バンクーバー五輪で中学生代表になって以来、達観したようなところがあったが、ソチ五輪落選を経験。スケートにすべてを懸けてきたからこその闘争心が備わった。メンタルの成長も大きい。(88年カルガリー、92年アルベールビル、94年リレハンメル、98年長野五輪代表。日体大教授)