中長距離のエース高木美帆(23=日体大助手)が、来年2月の平昌五輪でのメダル獲得を期待させる圧勝劇で2連覇した。1500メートルで、今年2月に自身が作った1分56秒07の国内最高記録を更新する1分55秒44をマーク。今季開幕戦で、4カ月後の大舞台に向けて好スタートを切った。

 緊張感に包まれた最終組で、高木美が気持ちの強さを見せつけた。スタートから積極的に仕掛け、最後まで伸びのある大きな滑りをキープ。開幕戦で早くも国内記録を更新すると、レース後には喜びをかみしめるように何度も拳を握りしめた。世界と戦える力を証明する攻めのレースに「これまでは優勝、タイムを取るために守りに入っていたが、そこを超えられた。初戦と感じないぐらい、滑り方がしみついてきた」と充実感をにじませた。

 10年バンクーバー五輪に史上最年少の15歳で出場するも、14年のソチ五輪はまさかの代表落ち。それでも、苦い経験を力に変えて再びはい上がり、昨季W杯で初優勝、世界距離別でも3位に入るなど、一気にメダル候補にまで上り詰めた。

 夏場までのフィジカル強化により「1歩の押し出す力が上がった」と成長を実感し、「まだ馬力で滑っている。もっと技術を煮詰めていきたい」と伸びしろも残す。五輪まで4カ月。最高のスタートを切った中長距離のエースは「自信を持ちつつ、うぬぼれないようにやっていきたい」と自身に言い聞かすように、勝負のシーズンを見据えた。【奥山将志】

 ▼女子1500メートル <1>高木美帆(日体大助手)1分55秒44<2>小平(相沢病院)1分57秒87<3>佐藤(高崎健康福祉大)1分58秒28

 ▼男子500メートル <1>山中大地(電算)34秒92<2>坂本(みどりクリニック)35秒01<3>羽賀(日本電産サンキョー)35秒03