レバンガ北海道が78-75で川崎ブレイブサンダースを下し、今季初の5連勝を果たした。2点を追う第4クオーター(4Q)残り13秒6に、マーク・トラソリーニ(27)が同点弾、フリースローも決めて逆転。最後は関野剛平(23)の2点シュートで振り切った。順位は東地区5位のままだが、同4位川崎との直接対決に勝ち肉薄。今季2度目の5000人超えとなったスタンドを沸かせ、ホーム戦5万人突破の節目の試合を飾った。

 アリーナが2度、大きく沸いた。最初は73-75、2点リードされた4Q残り13秒6。北海道のトラソリーニが、ゴール下から決めて同点。同時に相手ファウルを告げるホイッスルが鳴った。大歓声のあと、エースはバスケットカウントのフリースローを難なく決めて逆転。「アドレナリンが出たよ」と興奮さめやらぬ表情で、言った。

 最後はルーキー関野だ。試合再開直後に相手ボールを奪い、ファンの歓声が響く中、3点差となる決定的なシュートをリングに放り込んだ。水野宏太監督(35)も、声を張り上げた。「また一緒に戦ってほしい」と、360度、会場を埋め尽くしたファンに感謝した。前半リードから、後半に追いつかれ、逆転される苦しい展開。選手の背中を押すファンの熱き声援が、価値ある勝利を呼び込んだ。

 順位は東地区5位。一戦ごとにアリーナの熱気が高まる。今季のスポンサー数は初の200社に到達。ホーム入場者数は14試合目で5万人を超えた。このペースが続けばシーズン10万人に到達する。「予想を上回る数のファンに支えていただいている。感謝しかない」と横田陽CEO(41)。2億円以上の債務超過を解消しなければ、B1ライセンスが剥奪される。危機的状況がうそのような盛況ぶりだ。

 この日、日本ハム誕生15周年プロジェクトで来場した野球日本代表の稲葉篤紀(45)は「(3月のオーストラリア戦に向けた)代表発表を前に、いい刺激になった。来るたびに会場が熱くなっていることをひしひしと感じる」と感想を口にした。ホームで8勝6敗。劇的な勝利が、上げ潮ムードをさらに倍加させる。

 今日21日の川崎戦に勝てば、東地区4位に浮上し、プレーオフ圏内に突入する。全6チームが勝ち越しという激戦の東地区相手の10連戦。最初の2戦を白星とする意味は大きい。トラソリーニは「次もチャレンジャーとして1戦1戦戦うだけさ」と、チーム全員の気持ちを代弁した。【中島洋尚】