08年北京、16年リオデジャネイロ両五輪柔道女子52キロ級銅メダルの中村美里(29=三井住友海上)が16日、地元の東京・八王子市で行われた柔道教室に参加し、思わぬ悩みを打ち明けた。

リオ五輪以降、休養していて先月、全日本実業個人選手権に出場。52キロ級では約2年ぶりの実戦復帰となったが2回戦で敗退した。今後については「目の前にある試合に照準を合わせていく」とし、次戦は1つ上の57キロ級で福井国体(10月6~8日)に出場する。現在は57キロ級仕様の体づくりに励んでいるが「体重が戻らないんです…。これまでは(試合後に)57キロぐらいはポーンと戻ったのに、久々に減量したせいか戻らず苦労しています。パワーも必要になるので、今は稽古のほかに食べることも意識しています」と苦笑いした。

昨年4月には筑波大大学院に入学した。スポーツ健康システムマネジメントを専攻し、稽古と並行して修士論文の作成に追われている。論文テーマは、女性アスリートの活躍に期待を込めて「トップアスリートの出産復帰」を予定しているという。

柔道教室には、八王子市近隣の5歳から中学生までの計47人が参加。未経験者もいたため「楽しい柔道教室」をテーマに、礼儀やアップ、寝技指導などを中心に行った。最後は背負い投げや大外刈りなども披露した。「立ち技も大事だけど、柔道は一番基礎が大事。強くなるためには毎日の基礎練習と絶対に負けないという気持ちが大切です」と呼び掛けた。

教室後には写真撮影やサイン攻めにあった。質疑応答では「五輪で驚いたことはなんですか?」と問われると「選手村ではご飯や飲み物が食べ放題なんです。アイスも無料です。お金は使いません」と回答。子どもたちからは「おぉー!!」と大歓声が上がった。