体操日本代表の白井健三(22=日体大)が「価値ある棄権」をバネにする。
4日、左足首痛のためアメリカン杯を欠場した米国遠征から帰国。患部は先月26日の渡米1週間前から痛めていたと明かし、「上半身は動けていたので、行って調整する価値はあると思っていた」と振り返った。エントリーしながら欠場するのは体操人生初だったが、試合を外から観戦した経験が大きかったという。「見ることでやっている選手のうれしそうな顔やリアクションが見られて、そこでやるのはぜいたくなことなんだとあらためて思った」と選手冥利(みょうり)を痛感した。
もともと、この遠征のテーマは「柔軟」だった。昨秋の世界選手権(カタール)では中国製器具に苦しみ、個人総合7位、床運動でも銀メダルに終わった。宿泊先のベッドも体に合わず心身を乱した反省を踏まえ、環境面に柔軟に対応していくことを掲げていた。その観点からすれば、渡米しての棄権という従来はなかった選択も前向きに考えられる。ケガも「着地を決めよう、決めようと体が前のめりになっていたから」と蓄積から発症しており、「もっと余裕のある体操が大事だな」と身に染みた。
今季初戦の演技がかなわず、仕切り直しは日本でのW杯(4月7日、武蔵野の森総合スポーツプラザ)になる。「長い目で見て良い演技をためた方が良いと思った」判断の正しさを証明する舞台になる。大学院生としても迎える初戦。「東京で笑えるような演技をする」と誓った。


