昨年の覇者で世界1位の大坂なおみ(21=日清食品)が、見事なリベンジで、2連覇に向け好発進だ。同65位のムラデノビッチ(フランス)に6-3、6-4のストレートで勝ち、3回戦で同25位のコリンズ(米国)と対戦する。1月の全豪優勝後、初めて出場したドバイ選手権の初戦はコーチ不在のままムラデノビッチに敗戦。新コーチを迎えた今大会では好スタートを切った。

大坂が、新女王として記念すべき初勝利だ。90、91年と連続優勝したナブラチロワ(米国)以来の大会2連覇に向け好発進となった。「超ナーバスだった。勝つことだけに集中した」。勝利の瞬間、珍しく何度も左手でガッツポーズを繰り出した。

ドバイの敗戦から「多くのことを学んだ」。ドバイでは7度もサービスゲームを落とし、19%の得点獲得率しかなかった第2サーブを工夫。55%の確率でポイントに結びつけ、この日は、1度しかサービスゲームを失わなかった。

ジェンキンス新コーチとの初陣でもあった。第1セット終了時に、初めてコーチを呼んだ。「とても緊張している」。新コーチの初アドバイスは「グレートだ。何も悪くない。ポジティブに行こう」。大坂はにっこり笑い、そのまま押し切った。

ドバイ大会の前には「スター扱いは苦手」と、全世界から注目を浴びる女王の苦悩をあらわにした。しかし、今大会初戦前にSNSで長文を公表。「次世代の子の手本となることが大事だと気づいた」と、女王の自覚も芽生え始めた。

精神的に安定すれば、ポテンシャルの高さは無限だ。女王の自覚、新コーチとすべてが整い、新たな大坂が、初のタイトル死守に立ち向かう。