多くの犠牲者が出た東日本大震災は発生から8年を迎えた。11日、宮城・仙台市内では降りしきる雨の中、宮城・仙台市を拠点に活動するJ1ベガルタ仙台とB2仙台89ERSの監督、選手たちが各地の式典に参加。発生時刻を前に鎮魂の祈りをささげた。

   ◇   ◇   ◇

仙台市荒浜地区(若林区)の東日本大震災慰霊の塔では、B2仙台の選手たちが哀悼の意を込め、手を合わせた。昨年まではリーグ戦と重なり、チームとして初めての「3・11」当日の慰霊、追悼になった。渡辺太郎社長(39)、志村雄彦GM(36)らスタッフと桶谷大HC(41)以下、故障者1人を除く選手全員が参加した。偶然にも、震災時に民主党政権の官房長官を務めた、立憲民主党・枝野幸男代表(54)が同席。一緒に並んで震災発生の午後2時46分に合わせて黙とうをした。

追悼前は、大津波で2階部分まで浸水し、避難場所にもなった4階建ての震災遺構・荒浜小学校を訪問。低気圧による降雨と強風で、予定していた花の種をつけた風船リリースは中止になったが、震災の爪痕を目の当たりにし、復興支援への決意を新たにした。

チームはbjリーグ時代に震災に遭遇。一時は存続も危ぶまれ、活動休止を余儀なくされた。当時、琉球HCを務め、現役だった志村GMの期限付き移籍を受け入れた桶谷HCは「この場所に来ていろいろと考えさせられた。生かされている自分たちに何ができるか、亡くなった方には何もできないが、3・11の被害にあった地域のチームとして、これからの子供たちの力になりたい」と地域貢献と、全力プレーを誓った。【佐々木雄高】