B1中地区首位の新潟は13日の第27節、同4位の富山とアウェーの富山市総合体育館で対戦する。前節SR渋谷戦で2連敗して迎える一戦、昨季富山に在籍したSF上江田勇樹(31)がキーマンになり連敗を止める。今季は開幕前の昨年9月に左手小指を脱臼、1月には右足前距腓靱帯(きょひじんたい)損傷と負傷続きだったが、第25節名古屋D戦からスタメンに復帰し、調子を上げている。チャンピオンシップ(CS)進出のためにも負けたくない古巣戦、チームに貢献することに集中する。

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気負いも不安もない。「今まで勝っている相手との対戦」。上江田は富山を古巣ではなく、今季3戦3勝の相手と見た。アウェーに乗り込んでの富山戦は今季初。昨季のチームメート、ファンに「成長した姿を見せたい」という思いはある。それ以上に「ここで連敗を止めなければならない」という覚悟で臨む。

もちろん相手を知っている強みは生かす。「宇都(直輝=27、PG)に気持ち良くプレーさせると、ほかの選手にも好影響が出る。抑えれば勢いがなくなる」。日本代表経験のある相手エースの封じ込めをポイントに挙げた。自身は昨年12月29、30日の第14節の対戦で2戦合計24得点。相性はいい。

今季はケガに見舞われた。開幕前に脱臼した左手小指は、今もサポーターで固定。右足前距腓靱帯損傷の影響で第20節富山戦から6試合欠場。第24節北海道戦から復帰した。名古屋D戦からスタメン復帰すると徐々に調子を上げてきた。名古屋D戦2戦目から得意の3点シュートを3試合連続で決めている。アシストは、北海道戦2戦目から5試合連続でマーク。チームの歯車の1つになってきた。

昨季、富山ではB2降格の危機に直面した。序盤戦は中地区上位にいながら、終盤に急下降。B2熊本との入れ替え戦に勝ってようやくB1に残留した。「負けていても、まだ大丈夫という雰囲気。油断していた」。その経験があるから、1つの勝利にこだわる。「早くCS進出を決めたい。そのためにも1つずつ勝っていく」。連敗を止めて、CSへの土台を固めるため、全力で古巣をたたく。【斎藤慎一郎】

○…ベテランPG五十嵐圭(38)がチームを引き締めた。「まだ16試合あるし、何も決まっていない。一戦一戦しっかり戦わなければ」。前節SR渋谷戦の連敗を「欲が出た」と言う。首位をキープしたいという気持ちになり、守りに入ったと分析。「目の前の試合を勝っていくことが大切」と強調した。自身に対しても「もっと積極的にシュートを打っていく」とアグレッシブに富山撃破を狙う。