ノルディックスキー・ジャンプ女子W杯が7日、リレハンメル(ノルウェー)で開幕する。個人総合で女子最多4度優勝を誇る高梨沙羅(23=クラレ)は昨季4位だった。本紙評論家の山田いずみ氏(41=全日本スキー連盟ジャンプ女子コーチ)は、日本のエースについて昨季より上向いてきた、とみる。今季展望を語った。

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山田氏 (高梨は)五輪直後の昨季はいろんなことを試したシーズン。それを経験したことで、今年はアプローチ(助走路の姿勢)が非常に安定している。重心を良いポジションに乗せられているため、昨季よりもジャンプの確率が上がった。

-昨季はW杯参戦8年目で初めてトップ3を逃したが、3季ぶりの戴冠へ、夏は順調だった。国際大会グランプリ(GP)を2戦2勝で個人総合8連覇するなど、出場8戦で7勝。「1敗」となった11月のUHB杯も2位と安定した成績を残している。

山田氏 以前よりもメンタル的に余裕が出てきた。試合に「いっぱい、いっぱい」な時期もあったが、昔に比べると心にゆとりがある。

-悔しさを糧に戦うのは、高梨だけではない。伊藤は4位から12位、勢藤は12位から22位と、昨季総合順位を大きく落とした。日本勢全体が、リベンジのシーズンになる。

山田氏 開幕戦が大事。ここで上位に入れば、気持ち的にも良いスタートが切ることができる。日本勢の活躍を期待したい。【取材・構成 西塚祐司】