世界的スターの衝撃デビューだ。ラグビーのトップリーグ(TL)神戸製鋼に加入した元ニュージーランド(NZ)代表FBベン・スミス(34)が6日、プレシーズンマッチのマツダ戦(神戸市・灘浜グラウンド)に出場した。

試合は30分3本で行われ、スミスは2本目でプレー。自らの1トライを含む4トライに絡み、30分で31-7と相手を圧倒した。

「神戸のジャージーを着られてうれしい。チームに合流して1週間だけれど、新しい仲間と試合ができてうれしかったです」

水色のジャージーにオレンジのスパイク。NZ代表84キャップを誇り、W杯は15年イングランド大会優勝、19年日本大会3位と世界の舞台で活躍してきたスミスが駆け回った。まずは3分、味方が相手防御ライン裏に転がしたボールへ反応。懐に収めると、SH徳田健太(27)のトライを演出した。9分にはハンドオフを使って相手を巧みに交わし、約40メートルを走りきって来日初トライ。SOの位置に入ったW杯日本代表ラファエレ・ティモシー(29)とのコンビで試合を組み立て、計4トライに絡んだ。

「周りの選手が役割を完璧にやってくれて、自分の目の前にチャンスが生まれた」

スミスは10月に来日。新型コロナウイルス対策の隔離期間を終え、29日から練習に合流した。そこからわずか9日目で迎えた実戦デビュー。11月4日の記者会見では「コンディションはいい。神戸に入る前の数カ月間、トレーニングをしてきた。今週金曜日にはコンタクト練習も入っているので、それを楽しみにしています」と語っていた。

「今週金曜日のコンタクト練習」は試合となり、実績通りの大活躍。21年1月開幕のTLへ、充実のスタートを切った。【松本航】

○…帝京大を中退して今秋に入団したSO李承信(り・すんしん)が、自慢のキックで存在感を示した。60分間プレーし、11本のゴールキックを全て決めた。日本代表の下のカテゴリーとなるジュニア・ジャパンで主将、海外留学を志したがコロナ禍で断念。神戸製鋼での初戦を終え「キックは当たっていた。今日は70点」と自信をつかんだ。