バスケットボール女子Wリーグのトップに就任した映画監督の河瀬直美会長が、自らカメラを手にして選手やリーグの魅力を伝える。14日に都内で行われたWリーグ開幕前の記者会見で、公約の1つとして宣言した。

会見場のスクリーンに、「河瀬監督、動きます。」という文字が大きく浮かんだ。それを背に河瀬会長は、「自らカメラを回してWリーグの選手の素晴らしさを伝えます。コート上だけでなく、ベンチやロッカーなど、『人生の金メダル』を目指す選手の横顔に迫ります」と力強く話した。

バスケットボール経験者で、今年6月に就任した河瀬会長は、東京五輪の公式記録映画を指揮するなど映画監督として世界的な知名度を持つ。この日の会見に登壇した渡嘉敷来夢(ENEOS)は自身の「ギラついている姿」を、馬瓜エブリンは「感情むきだしのハッスルプレー」を撮って欲しいとアピール。東京オリンピック(五輪)銀メダルの日本代表主将の高田真希(デンソー)は、「バッシュ」にクローズアップして欲しいとし、今季はファンがデザインした10種類以上のバスケットシューズを日替わりで履くことを明かした。

新会長はこの日、3つの公約を発表。自らがカメラを回すことのほか、プレーオフ決勝でリーグ初となる1万人以上の集客を目指すことや、競技の垣根を越えて他のスポーツと交流していく方針を明らかにした。

異業種交流の第1弾として1月下旬のWリーグオールスターで、日本代表クラスの体操選手らとのコラボレーションイベントを開催。この日はロンドン、リオデジャネイロ五輪体操代表の寺本明日香(ミキハウス)がゲストとして登壇し、「他競技の場で体操選手が演技できることを想像するだけで新鮮だし、わくわく感でいっぱい」と期待感を口にした。【奥岡幹浩】

◆河瀬直美(かわせ・なおみ)1969年(昭44)5月30日、奈良県奈良市生まれ。同市立一条高時代はバスケットボール部に所属し、国体出場。大阪写真専門学校(現ビジュアルアーツ専門学校)卒。97年に世界3大映画祭の1つ、カンヌ映画祭(フランス)で「萌の朱雀」が新人監督賞「カメラドール」を受賞した。同映画祭では07年「殯(もがり)の森」で審査員特別大賞を受賞。今年6月にバスケットボール女子Wリーグの新会長に就任。東京五輪の公式記録映画の監督も務めた。