競泳で21年東京五輪個人メドレー2冠を達成した大橋悠依(26=イトマン東進)が、日本女子初のプロスイマーに転向したことが2月28日、分かった。

1月に日本水連に肖像権除外認定を申し出て、常務理事会で受理された。日本水連幹部が「大橋選手の申し出は認められています」と明かした。北島康介、萩野公介、渡辺一平、瀬戸大也に続く日本競泳界5人目で、女子では初のケースになった。

大橋が、決断を下した。水泳選手は日本水連が肖像権を一括で管理しているが、五輪、世界選手権のメダリストに限り、肖像権の自主管理を申請できる。日本水連の一括管理から外れると、これまで補助があった遠征、合宿の費用は原則として自費になる。トップ選手の活動費は、年間800万円近くとされるが、その費用を賄う代わりに、商業活動の制限が緩和される。

プロスイマーになると、水泳教室の開催、CMなどのメディア露出、スポンサー企業とのタイアップなどが可能になる。大橋は4月以降もイトマン東進との所属契約を継続した上で、新しい可能性を探っていく。

昨夏は平井伯昌コーチとのタッグで、日本女子初の夏季五輪2冠を達成した。そして昨年12月からは男子の入江陵介を指導する石松正考コーチに師事して、新しいチャレンジをスタートしている。大橋の歩みは次世代の女子選手にとってのロールモデルになる。同幹部は「我々としては、新しい形(女子初のプロ)で頑張ってくれれば」とした。

◆大橋悠依(おおはし・ゆい)1995年(平7)10月18日、滋賀県彦根市生まれ。草津東高-東洋大-イトマン東進。得意種目は個人メドレーで、世界選手権は17年に200メートルで銀メダル、19年に400メートルで銅メダル。21年東京五輪は個人メドレー2冠を達成した。174センチ、57キロ。