B1新潟アルビレックスBBが15日に、シーホース三河とホームのアオーレ長岡で対戦する。14日は同会場で練習を行った。13日に選手契約をした元日本代表のSG川村卓也(36)の出場が濃厚だ。

「出場したら」と前置きした川村は、フォア・ザ・チームを強調した。「自分の数字などはほしくない。役割としてシュートはあるので、チームの勝ちにつながる1本、アシストで貢献できたら」。新潟は現在8連敗中で、リーグ全体順位最下位の24位とB2降格圏に沈む。是が非でも手にしたい白星をつかむため、チームに役立つプレーを自身に課した。

相手の三河は19-20年から2季所属した古巣。20-21年には3点シュート成功率45・3%をマークするなど主力として活躍した。「きっとちゃかされるでしょうね」と旧チームメートとの再会を楽しみにしつつも、「相手がどこであろうと欲しいのは勝利」。個人の感情は外に置く。

新潟は20代前半の若手が多い。2月20日に練習生として加入して以後、積極的にコミュニケーションを図ってきた。「今は『TK』って呼ばれています」。親しくなった若いチームメートとの交流に笑みが浮かぶ。だからこそ、自分へ向けられる視線の熱さも受け止める。

出場すればB2西宮ストークスに所属していた昨年5月8日のB2プレーオフ、熊本ヴォルターズ戦以来311日ぶりの公式戦。「自分でも未知。感じたことのない難しさがあると思う」と長期のブランクに戸惑いは隠せない。それでも「相手の強度、自分のシュートタッチの問題など、クリアして次ぎにつなげるのか、引きずるのかは自分次第」と覚悟を示す。

コナー・ヘンリー監督(59)は「シューターとしてチームにいいオプションを与えてくれると思う」と起用を示唆し、期待を寄せた。「とにかく勝ちたい、やることをやれば勝てる」と川村も意欲をあらわにする。アームスリーブを左腕から装着するルーティーンを新潟の一員として披露する瞬間が迫る。「付け終わるのが最後のスイッチ。戦闘態勢に入った状態」。新潟のオレンジ色のユニホームでの躍動を、自らが一番楽しみにしている。

 

◆川村卓也(かわむら・たくや)1986年(昭61)4月24日生まれ、岩手県出身。盛岡南高からJBLオーエスジーに入団。05-06年に新人王を獲得した。08-09年にJBL栃木(現B1宇都宮)に移籍し得点王に輝いた。13-14年からNBL和歌山(現近畿地域リーグ)、15-16年はNBL三菱菱電機名古屋(現B1名古屋D)に所属。Bリーグでは16-17年から横浜BC、19-20年から三河、20-21年はB2西宮でプレーした。05年に日本代表入りし、同年のアジア選手権、06年の世界選手権、07、11年のアジア選手権などに出場した。Bリーグ通算319試合出場、3603得点、1058アシスト、855リバウンド。193センチ、90キロ。ポジションはSG。