GT500クラスは、予選2位の100号車STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)が逆転で今季初勝利を挙げた。マシンが宙を舞うクラッシュで中断する荒れたレースとなったが、再スタートの10周目でトップを奪い逃げ切った。

2位はポールポジションの8号車#8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)、3位は37号車Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)。開幕2連勝で11番手スタートの36号車au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は4位でフィニッシュした。

山本は正直に打ち明けた。「心中穏やかではなかった。不安な気持ちはありました」。スタート直前に雨が降り、セーフティーカーが下がった5周目の再スタートで3台がからむクラッシュがあり、フラガの乗った64号車は宙を舞った。路面にぶつかり、1回転してレースは中断。スターターの山本自身も23年にマシンが1回転する大クラッシュで大けがを負う経験もしていた。「フラガ選手の意識がしっかりしていると聞いてますし、まずは安心した」。強い気持ちで再びマシンに乗り込んだ。

再スタートとなった10周目、8号車を抜いてトップに立った。「チャンスはそんなに多くない。1発で仕留めようと決めて再スタートに臨んでいた」。狙い通りだった。

トップでバトンを受けた牧野は太田の猛追に苦しんだ。1周1秒のペースで差を縮められ、最終周では真後ろにまで追い上げられた。ミスを犯せないプレッシャーとも戦いながら、0秒662差で振り切った。2週間前のスーパーフォーミュラでは太田に連敗し、今回の予選でも後塵(こうじん)を拝した。「うまくいかなくて、本当に結構きつかった。尚貴さんと優勝できて本当にうれしいです」と男泣きした。

今季から投入されたホンダ・プレリュードにとって、3戦目での勝利だった。シェイクダウンのドライバーを務めたのは山本と牧野の2人。だが初のポールポジションは前日に太田、大津組に奪われた。山本は「悔しい思いはあったし、何が何でも初優勝は自分たちの手でという思いは強くなった。昨夜、太田選手のコメントを読んでメラメラ闘志がわいてきた。太田選手に感謝しています」と笑わせた。ホンダワークスを長年支えてきた意地もあった。プロフェッショナルとは何かを体現するようなレースとなった。