新潟工ラグビー部のFW南豪思(17)が今春、関西社会人リーグ・トップウエストの三菱自動車京都に入社する。1日に卒業式を終え、29日にチームに合流予定。高校日本代表候補にも挙げられていた有望株だ。前身の三菱自工京都時代に全国社会人大会2度優勝の名門で腕を磨き、新潟工OBの現役日本代表・稲垣啓太(28=パナソニック)を目標に将来の日本代表を目指す。

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不安はまったくない。「京都で暮らせますからね。楽しみですよ」。181センチ、108キロの体格通りのおおらかさが南の武器だ。体力で勝る社会人選手の中に入ることになっても「1年目から試合に出られるように」と堂々と言い切る。1日に卒業式を終えた。29日の入寮までは自宅近くの体育館で筋トレをするなど、自主トレを続けて社会人生活のスタートに備える。

三菱自動車京都は新潟工と縁がある。昨季はトップウエストAで2勝6敗の8位と低迷したが、三菱自工京都時代は71、75年の全国社会人大会で優勝。75年の主将は新潟工OBの橋本光夫氏(69=元浦和レッズ社長)。大先輩が在籍した名門への入社に「戦力として認められたい」と意気込む。

重量FWが伝統の新潟工でスクラムの要のプロップとして活躍した。昨年12月の全国高校大会、大津緑洋(山口)との1回戦でもモールやスクラムの中心になり、38-7の勝利。2年ぶりの花園での白星に貢献した。昨年11月の高校日本代表候補2次メンバーにも名を連ね、合宿に参加した。「経験を積めばもっと良くなる」。新潟工の樋口猛監督(46)も期待をかける。最終メンバー入りはならなかったが、スクラムの力強さと細かな駆け引きは関係者から注目された。

「早生まれ(3月23日)なので、U-20日本代表の対象に入る」と年代別日本代表の座が、南の最初のターゲットだ。将来は「稲垣さんのようになること」。同校OBで日本代表のプロップ稲垣と同じように桜のジャージーを着ることが夢。夏休みの合宿時など、稲垣が訪れるたびに激励を受けた。憧れであり、最終目標。近づくためにも「まず存在を示さないと」と気を引き締めた。【斎藤慎一郎】

◆南豪思(みなみ・かつし)2001年(平13)3月23日生まれ、新潟市出身。松浜小、松浜中ではサッカー部に所属。新潟工でラグビーを始める。2、3年とプロップで花園を経験。3年時は副主将を務めた。181センチ、108キロ。