静岡県大会準優勝の東海大静岡翔洋は延長11回、いなべ総合学園(三重1位)にサヨナラ負けした。

 東海大静岡翔洋の勝又奨投手(3年)は延長11回、いなべ総合の先頭打者に内野安打を許した。犠打に味方の失策も重なり1死一、三塁のピンチを招く。そして、この日4安打を打たれている3番打者に、初球のスライダーを左前に運ばれ、力尽きた。それでも勝又は「秋に簡単に負けてしまい、春はここまで勝ち上がれると思っていなかった。だから自信になりました」と気持ちを切り替えた。

 県大会決勝から成長した姿を見せつけた。先制し、追いつかれても勝ち越す。東海大静岡翔洋のペースで試合が進んだ。しかし、勝又は5回に5連打を浴び、5失点し逆転された。弓桁義雄監督(51)から「ここで踏ん張らないと。変わらないと決勝と一緒だよ」と声をかけられた。

 奮起した勝又は、7回から10回まで低めに制球されたボールで凡打の山を築いた。8回には自らのバットで試合を振り出しに戻した。17日には東海大海洋学部と練習試合をし7回途中までを1失点に抑え、また左投手を並べてもらい、いなべ総合対策をしてきた成果を見せることはできた。

 負けたとはいえ好ゲームを演じ、確かな手応えもつかんだ。勝又は「大量失点をなくさないと。そのため、もう1度、土台を鍛えていきたい」。夏に向けて気持ちを切り替えた。【大野祥一】