全勝で首位の日本が1敗の強敵韓国に7回コールドで圧勝し、2次リーグ1位通過での決勝進出を決めた。

 2回に伊藤寛士捕手(3年=中京大中京)や篠原涼内野手(3年=敦賀気比)の適時打などで一気に5点を先制。5回にも6点を加えるなど圧倒した。投げては上野翔太郎投手(3年=中京大中京)が7回を3安打無失点、10奪三振の力投でねじふせた。

 5日のキューバ戦(甲子園)を待たずに日本は6日に甲子園で行われる決勝進出が決定。初優勝をかけた対戦相手も3連覇を狙う米国に決まった。 



日本12-0韓国


チーム
韓 国  
日 本×  12

※7回コールド

【韓】金大鉉、崔成永、柳在裕、崔忠然、金彪勝、朴世津

【日】上野

韓国対日本 韓国に大勝し笑顔を見せる左から上野、伊藤(撮影・河野匠)
韓国対日本 韓国に大勝し笑顔を見せる左から上野、伊藤(撮影・河野匠)

【1回表 韓国】

日本の先発は開幕投手を任されたブラジル戦で6回無失点と好投した上野

1番 崔元準 遊飛

2番 安尚鉉 外角低めの変化球を空振り三振

3番 朴俊泳 外角高めの直球を空振り三振

1回表2死、朴を空振り三振に仕留める上野(撮影・田崎高広)
1回表2死、朴を空振り三振に仕留める上野(撮影・田崎高広)

日本の先発・上野は上々の立ち上がり


【1回裏 日本】

韓国先発の金大鉉は身長190センチ、体重100キロと大柄の右腕

1番 杉崎 内角球を引っ張り一ゴロ

2番 津田 外角寄りの直球を引っかけ二ゴロ

3番 勝俣 鋭い当たりも二塁手の正面をつくゴロに倒れる


【2回表 韓国】

4番 林錫進 外角低めの直球を空振り三振

5番 朱暁祥 低め意識の制球も四球

6番 黄善導 変化球を見逃し三振

7番 河成珍 ストライク先行の組み立てから外角球を打たせて遊ゴロ


日本がイッキ5点先制

【2回裏 日本】

4番 清宮 積極的に初球の直球を叩く。バットの先に当たった中堅に抜けそうな打球は、二塁手に逆シングルでさばかれ二ゴロに倒れる

2回裏無死、二ゴロに倒れる清宮(撮影・田崎高広)
2回裏無死、二ゴロに倒れる清宮(撮影・田崎高広)

5番 平沢 カウント3-1から外角低めを見極め四球

6番 オコエ カウント0-1からの2球目、外角直球を弾き返す。鋭い打球は中前打。1死一、二塁とする 

7番 伊藤 初球の変化球を捕手が前へこぼす間に二塁走者の平沢がすかさず三盗に成功。カウント2-2から一塁走者のオコエを警戒し、2球続けてけん制球が入る。さらに3球目のけん制球でオコエがタッチアウト。2死三塁とチャンスがしぼんだかに見えたが、外角球を流し打ち右翼への先制適時打。右翼手が処理をもたつく間に三塁へ達する。

2回裏2死三塁、右越え適時三塁打を放つ伊藤(撮影・田崎高広)
2回裏2死三塁、右越え適時三塁打を放つ伊藤(撮影・田崎高広)
2回裏2死三塁、伊藤は右線適時三塁打を放ち、三塁上でセーフのポーズ(撮影・加藤哉)
2回裏2死三塁、伊藤は右線適時三塁打を放ち、三塁上でセーフのポーズ(撮影・加藤哉)

8番 篠原 カウント1-1から内角球を叩き、右中間を大きく破る適時二塁打。2-0とする

9番 堀内 2死二塁。フルカウントからしっかり見極め四球を選ぶ

ここで韓国は投手交代。左腕の崔成永が登板

1番 杉崎 2死一、二塁。カウント0-2からの4球目。外角球に泳ぎ、ふらふらと二塁後方へ上がった打球は二塁手と中堅手の間に落ちる適時二塁打に。3-0とする

2番 津田 2死二、三塁。外角高めの初球を叩き、左中間を破る2点適時打。5-0とする

3番 勝俣 初球を打って遊ゴロ。


日本はこの回、四球を挟み4連打でイッキ5点を先制


【3回表 韓国】

8番 李振栄 投手強襲の内野安打。打球を処理した上野が懸命に一塁へ送球も間に合わず 

9番 金徳鎮 右前打で無死一、二塁

1番 崔元準 初球をセーフティーバントも、捕手の正面へ。堀内が素早く三塁へ送球しフォースアウト。1死一、二塁

2番 安尚鉉 フルカウントから外角低め直球を空振り三振

3番 朴俊泳 カウント2-2から内角低めへの直球を見逃し三振


連続三振でピンチを切り抜けた上野はマウンド上で声をあげてベンチへ駆ける


【3回裏 日本】

韓国の投手は3番手の右腕・柳在裕に交代

4番 清宮 カウント1-2からの4球目、外角低めのボールにバットを合わせただけの打球は力ない二ゴロに

5番 平沢 カウント0-1からの2球目、低めのボールを打たされ二ゴロに倒れる

6番 オコエ 鋭い打球も三ゴロに終わる 


【4回表 韓国】

4番 林錫進 ストライク先行の投球で追い込み、最後はどん詰まりの三ゴロ 

5番 朱暁祥 テンポ良く投げ込み二ゴロ

6番 黄善導 捕邪飛。バックネット際への飛球を捕手の堀内が好捕

4回表、好投する上野(撮影・加藤哉)
4回表、好投する上野(撮影・加藤哉)

【4回裏 日本】

7番 伊藤 カウント3-1から内角低めの球をしっかり見極め四球

8番 篠原 2球バントの構えも最後は打ち上げて左邪飛に倒れる。1死一塁

9番 堀内 初球がボールとなったところで、韓国は4番手として前日3日に登板したエース右腕・崔忠然をマウンドへ送る。カウント2-2から一塁走者の伊藤が二塁を狙うも盗塁死。2死走者なしとなるが、フルカウントから左前にポトリと落ちる安打

1番 杉崎 直球を弾き返すも中飛に倒れる


【5回表 韓国】

7番 河成珍 鋭い打球も右翼正面へのライナー

8番 李振栄 カウント1-2から内角高め直球を空振り三振

9番 金徳鎮 三飛


日本の先発上野はテンポ良く5回まで上々の無失点投球


日本が大量6点追加

【5回裏 日本】

2番 津田 3球連続ボールから1球ストライクの後、最後は外角低めを見極め四球

3番 勝俣 カウント0-1から2球目が暴投となり無死二塁。結局ストレートの四球 

4番 清宮 無死一、二塁で回った打席にスタンドからも大きな拍手。カウント1-1からの3球目、外角低め直球を鋭く弾き返し中前打。中堅手が弾く間に、二塁走者の津田が一気に生還。6-0とする

5番 平沢 カウント1-3から外角低めを見極め四球。無死満塁

韓国は5番手、右アンダースローの金彪勝が登板

6番 オコエ 外角のボール球にタイミングが合わず空振り三振。1死満塁

7番 伊藤 外角球を右打ちも一塁手の正面へ。本塁フォースアウトで2死満塁

8番 篠原 カウント1-0から内角球が胸付近をかすめ押し出し死球。7-0とする

9番 堀内 なおも2死満塁。詰まりながらも遊撃後方への適時打。中堅手がもたつく間に2者が還り、さらに送球がそれる間に一塁走者の篠原も生還。10-0とする

1番 杉崎 2死二塁。外角球を流し打ち左前打で出塁、2死一、三塁。

2番 津田 カウント2-1から4球目を投じる前の投手の動作がボークとなり、三塁走者が生還し11-0。連続ボークで2死三塁に。フルカウントから最後は打ち上げ中飛で攻撃終了。


日本は韓国のミスにも乗じて大量6点を追加する 


【6回表 韓国】

1番 崔元準 遊ゴロ

2番 安尚鉉 カウント0-2と追い込み3球目、右中間への打球に中堅手オコエがダイビングも届かず二塁打に。

3番 朴俊泳 1死二塁。カウント1-2から外角変化球を打たせて投ゴロ。投手の上野が三塁へ送球し、二塁走者をアウトにする。

4番 林錫進 2死一塁。カウント2-2から変化球を打たせて三ゴロ


日本がさらに1点追加

【6回裏 日本】

3番 勝俣 カウント0-3から4球目も大きく外れ四球

4番 清宮 カウント0-1から、外角低めのボールを流し三遊間へ。遊撃手が押さえ一塁へ送球も、清宮の激走が勝り内野安打に。代走に宇草が送られ、ベンチへ退く清宮にスタンドから大きな拍手が送られる

5番 平沢 無死一、二塁。初球ボールとなったところで韓国は6番手、前日3日も登板した黒縁眼鏡の左腕・朴世津をマウンドへ。代わった初球が暴投となり無死二、三塁に。フルカウントから外角球を絶妙なバットコントロールで流し打ち、三遊間を破る適時打で12-0とする

6番 オコエに代打・船曳 無死一、三塁。見逃し三振に倒れる 

7番 伊藤 外角直球を空振り三振

8番 篠原 外角いっぱいの直球を見逃し三振。三者連続三振に倒れる


【7回表 韓国】

5番 朱暁祥 カウント1-2から真ん中高め直球で空振りでこの試合8つ目となる三振 

6番 黄善導に代打・金周成 フルカウントから内角高め直球で空振り三振 

7番 河成珍に代打・朴相彦 フルカウントから最後も直球で3者連続空振り三振


上野は3安打完封10奪三振の好投。ブラジルとの開幕戦に続き、無失点で投げ抜いた 


<日本スタメン>

1(左)杉崎

2(二)津田

3(右)勝俣

4(指)清宮

5(遊)平沢

6(中)オコエ

7(一)伊藤

8(三)篠原

9(捕)堀内

先発P=上野

韓国ナインが見守る中、ノックを受ける清宮(撮影・田崎高広)
韓国ナインが見守る中、ノックを受ける清宮(撮影・田崎高広)

<韓国スタメン>

1(右)崔元準

2(二)安尚鉉

3(遊)朴俊泳

4(三)林錫進

5(捕)朱暁祥

6(指)黄善導

7(一)河成珍

8(中)李振栄

9(左)金徳鎮

先発P=金大鉉   


<日本メンバー>

【監督】

30 西谷 浩一(45=大阪桐蔭)

【コーチ】

31 仲井 宗基(45=八戸学院光星)

32 島田 達二(43=高知)

【投手】

11 佐藤 世那(3年=仙台育英)

12 成田  翔(3年=秋田商)

15 高橋 樹也(3年=花巻東)

16 小笠原慎之介(3年=東海大相模)

17 上野翔太郎(3年=中京大中京)

18 高橋 純平(3年=県岐阜商)

19 森下 暢仁(3年=大分商)

20 勝俣 翔貴(3年=東海大菅生)

【捕手】

 9 伊藤 寛士(3年=中京大中京)

22 郡司 裕也(3年=仙台育英)

27 堀内 謙伍(3年=静岡)

【内野手】

 1 平沢 大河(3年=仙台育英)

 2 津田 翔希(3年=浦和学院)

 3 清宮幸太郎(1年=早実)

 5 宇草 孔基(3年=常総学院)

 6 杉崎 成輝(3年=東海大相模)

10 篠原  涼(3年=敦賀気比)

【外野手】

 7 豊田  寛(3年=東海大相模)

 8 オコエ瑠偉(3年=関東第一)

21 船曳  海(3年=天理)


【リーグ戦の順位決定方法】

勝敗数で並んだ場合は(1)直接対決(2)得失点率差(3)得失点率差-自責点率差(4)チーム打率(5)コイントスの順で順位を決定する。1次リーグで対戦したチーム同士の試合の成績は、2次リーグにも持ち越す。

【1次リーグ結果】

A組 1位日本(5勝0敗)2位米国(4勝1敗)3位オーストラリア(3勝2敗)

B組 1位韓国(5勝0敗)2位キューバ(4勝1敗)3位カナダ(3勝2敗)

【U18W杯】

1次リーグはA組(日本、米国、メキシコ、オーストラリア、ブラジル、チェコ)B組(キューバ、台湾、カナダ、韓国、イタリア、南アフリカ)に分かれ、各組上位3チームが2次リーグに進出。2次リーグでは別組の上位3チームと対戦し、1次リーグの勝敗を加えた総合成績により決勝、3位決定戦(ともに9月6日・甲子園)を行う。高校日本代表が出場するのは04年(準優勝)12年(6位)13年(準優勝)に次ぎ4度目。

U18W杯:日程&結果