第98回全国高校野球選手権(8月7日開幕・甲子園)の南北海道函館地区と北北海道名寄地区の組み合わせが13日、道内トップを切って決まった。函館地区では、校舎から開通したばかりの北海道新幹線を望む七飯が、25日の初戦で江差と対戦。旋風を期す。

 緩やかな坂の上にある校舎屋上から、風のように走る緑の車体がきれいに見える。新幹線が止まる新函館北斗駅まで、在来線で1駅。走行中の車体はトンネルや防音壁に囲われていることが多く「校舎から新幹線が見える、唯一の高校だと思います」と有沢勝利監督(38)は自信たっぷりだ。最近では青森の高校が相次いで遠征に訪れており「うちも他県へ遠征して勉強したい気持ちはある」と新幹線利用も視野に入れる。

 今春、1年生9人が入部した。この夏を最後に、存続危機にあった3年生5人のチームを救った。2季ぶりに単独出場した春は初戦突破。身長185センチの大型右腕、田代慎太郎主将(3年)はエース兼4番の大黒柱で「今までにないポジション争いが出来るようになった。七飯史上初の道大会出場を目指したい」。夢舞台へ、いざ発進。【中島宙恵】