スーパールーキーは慶応(神奈川)にもいた! 下山悠介内野手(1年)は8回2死一、二塁、外寄りの直球をパワフルに右中間へ引っ張った。リードを4点に広げる2点三塁打。「今まで守備で先輩に迷惑を掛けたりした。今日は絶対打とうと、強気でした!」と白い歯を見せた。9回、鎌倉学園に3点を詰められた。この一打がなければ、負けていた。

 下級生ながら大事な切り込み隊長を任されている。昨秋から指揮を執る森林貴彦監督(43)は「彼が一番いいバッターだと思っているから1番です。純粋に打席が多く回ってくるので」と絶大な信頼を寄せる。県内では横浜・万波中正外野手ら1年生が顕著な活躍を見せるが、下山は6回にも右中間へ適時三塁打をマーク。2本の長打でポテンシャルの高さを見せつけた。

 千葉市出身。「勉強も野球も力を入れたい」と越県進学し、毎日往復3時間の通学時間は英単語帳をめくる文武両道・慶応ボーイだ。実家はQVCマリンにほど近く、昨夏甲子園で3本塁打したロッテ平沢の打撃フォームが手本。接戦を制しての8強進出に「慢心じゃなく、自信にしていきたい」と地に足がついている。ちなみに出身中学は千葉市立、打瀬(うたせ)中。母校の名前通り、この先もしっかり“打たせて”もらって勝つ。【鎌田良美】