大会5連覇を狙う仙台育英は7-0の7回コールドで仙台城南を退け、5年連続30度目の東北大会出場を決めた。本大会からエース番号を背負う2年生右腕・佐藤令央が5回から2番手救援。2回を2安打無失点に抑え、昨夏甲子園準Vエースの兄世那(19=オリックス)に続くセンバツ出場に夢を広げた。

 仙台育英の佐藤が昨季ドラフト6位でオリックスに入団した兄世那と同じ背番号1で県大会デビューした。7点リードの5回表、満を持して登板。この回先頭の相手7番に内野安打を許し、6回も1死から中前打を打たれたが、伸びのある速球にキレのあるスライダーを交えて後続を断った。佐藤は「準備はしていましたが、コボスタは初めてだったので、最初はちょっとあがってしまいました。でもその後は落ち着いて投げられました」と中継ぎの役割を果たした。

 1年春にベンチ入りも、その後は遠ざかった。ベンチ復帰の今秋は背番号10で中部地区予選2試合に救援。本大会からエース番号を背負う。容姿は世那とうり二つ。佐々木順一朗監督(56)は「最初はノースリーで、いい投球をしようと少し力が入っていた。お兄ちゃん(世那)よりも明るくて、1人でチームを盛り上げてくれるありがたい存在」とムードメーカーとしても期待している。その言葉どおり、降板後もベンチ中央でチームを鼓舞し続けた。

 最速は「恐らく130キロ台後半」と自己申告。大きく変化するスライダーに加え、6回には1球だけフォークも投じた。佐藤は「夏から練習していますが、東北大会では使えるようにしたい」と意欲を示した。

 今春卒業した世那は昨季、甲子園に春夏連続出場。佐藤は「センバツは2回戦で、夏は準優勝なので、それを超えたい」と2歳年上の兄の背中を追いかける。新チームには、この日先発の長谷川拓帆ら主戦級の2年生4投手がしのぎを削る。百獣の王ライオンをチームエンブレムにする「レオ軍団」の“レオ”は「できるだけ長く兄と同じ背番号をつけて結果を出したい」と闘志をみなぎらせた。【佐々木雄高】