巨人がバッテリーが奮闘し、3連勝を飾った。先発の戸郷翔征投手(24)がリーグ1位の得点数、打率を誇るヤクルト打線を相手に快投。7回1安打無失点に抑えた。女房役の小林誠司捕手(34)も好リードとともに、バットでもアシストした。1点リードの7回に3年ぶりとなる1号ソロを神宮の夜空に描き、エースに3勝目を呼び込んだ。混セの中で巨人が加速してきた。

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エース戸郷が敵地神宮のマウンドに降臨した。バックを固める味方を信じて腕を振った。立ち上がりからハイペースで飛ばした。150キロ前後の直球を軸にフォーク、スライダーのコンビネーションでヤクルト打線を手玉に取った。6回までわずか1安打で無失点投球。18個のアウトで4奪三振と打たせてとる投球が光った。

勝負の潮目を明確にイメージしてマウンドに上がった。「オスナ、サンタナ、村上さんがいいバッティングをしている。この3人を乗せると、ほかもつながる。そこは意識したい」とクリーンアップを警戒。強引に勝負を急がずにベース板を広く使って、コーナーをついた。

2回に2死から長岡、中村を連続四球で歩かせたが、武岡を二ゴロに仕留めてピンチを切り抜けた。前回登板の10日阪神戦は6回に3四球を与えてイニング途中で降板し「心の問題だと思う。修正をたくさんしました」と同じ轍(てつ)は踏まなかった。

序盤からの快投劇に、打線が伏兵の1発攻勢で援護した。1回2死から吉川がヤフーレのカットボールを捉えて1号先制ソロ。7回には小林がフルカウントからど真ん中のチェンジアップを粘り腰で左翼席最前列まで押し込んだ。21年9月12日広島線以来971日ぶりとなる1号ソロで攻守で戸郷をもり立てた。

試合前時点で首位阪神と0・5ゲーム差と肉薄。大混セの渦中で虎視眈々(たんたん)と頂を狙う。戸郷は「早く首位に立っておけばね。首位に立てることが一番ですし、僕としては0で抑えてチームの援護を待てればなと思います」と戦前の言葉どおり投球で7回1安打無失点で西舘につないだ。虎のしっぽはすぐそこにある。【為田聡史】

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