青森の3位決定戦で弘前東が弘前工を7-5で下し、初の東北大会出場を決めた。左腕エース鳥谷部慎吾(2年)が8安打5失点10奪三振完投。打っては2本の適時二塁打で3打点を挙げた。青森山田、八戸学院光星、八戸工大一、弘前学院聖愛に続いて弘前東が台頭。青森の私立5強時代の幕開けを告げた。

 前日(24日)準決勝で光星に4-5で惜敗。鳥谷部が3回まで5点を奪われ、後半反撃したが逃げ切られた。この日は弘前地区同士の対決。葛西徳一監督(31)は「うちは追い上げて負けた。相手(弘前工)は終盤に点を取られて負けた。勢いはうちが上だ。弘前同士の戦いに負けられないぞ」とナインを鼓舞した。

 光星戦で4回まで投げ、連投の鳥谷部は9回、141球を投げきった。5番の打席で、2本の二塁打はいずれも中越えの大二塁打。「いいピッチングができた。監督さんに『今日はバッティングでも頼むぞ』と言われた。弘前同士の対決で気合が入った」という。

 2安打の1番長浜輝左翼手(1年)は中学時代、弘前シニアでプレー。「聖愛シニアに負け続けた。(高校で)聖愛を倒すには聖愛に入れないので弘前東に来た」という。地区予選ではその聖愛を破った。強豪がひしめき、レベルが高いといわれる弘前地区でもまれ、弘前東が成長した。「東北大会では全力投球で暴れたい」。鳥谷部が胸を張った。【北村宏平】