日大東北は福島商を5-1で倒し、2年ぶり11度目の東北大会出場を決めた。決勝では、過去11大会中、2勝8敗と負け越している因縁の相手、聖光学院に挑む。

 日大東北の右のWエースが宿敵聖光を抑え込む! 先発した背番号10の磯上海大投手(2年)が6回1/3を5安打1失点で粘ると、7回1死満塁でリリーフした背番号1の楡井(にれい)龍之介投手(2年)が2回2/3を無安打無失点に抑え、決勝進出を決めた。中村猛安監督(37)は「磯上が復調し始めたし、楡井はあそこでよく抑えた。決勝でもしっかり投げてもらわないとね」と2人にさらなる期待をかけた。

 13年春以降、15年春を除く10大会で聖光と激突し、秋の2勝のみ。今夏の聖光との準決勝では背番号1を任されていた磯上が先発するも初回にKO。楡井にマウンドを譲ってしまい、またも宿敵に敗れた。新チーム始動後はお互いに背番号がかわり、継投で決勝まで勝ち上がってきた。2人とも口にした「背番号は関係ない。マウンドに上がっている方がエース」という言葉に、結束力がうかがえる。

 ともに福島県出身で中学時代は軟式野球部に所属し、県大会でしのぎを削ったライバル同士だった。磯上が楡井を誘って、2人で入学した。磯上は決勝に向けて「聖光を倒して甲子園に行こうって楡井に声をかけました。決勝で負けてられない」と意気込んだ。