日大三は193センチ、101キロの金成麗生(かなり・れお)内野手(2年)が、5回に高校通算14号3ランを放って日野に快勝。6年ぶりの決勝進出を決めた。

 清宮に華麗なるライバル出現だ。日大三の怪物スラッガー「デカプリオ」が、ベールを脱いだ。2-0の5回2死一、三塁、金成が1ボール2ストライクから内角直球を捉えた。右翼ポール際の防球ネット上段に突き刺さる、推定120メートルの特大3ラン。「一番得意なコースに来た。気持ちよかった」。圧倒的なパワーに、球場はどよめいた。

 アメリカ人の父と日本人の母を持つ。今夏まではサウスポーの投手。小倉全由監督(59)に長打力を買われ、一塁にコンバートされた。背筋力は300キロを超えるため「機械でエラーが出る。高校球児の中では日本一と言われた」。ニックネームは、米俳優レオナルド・ディカプリオにかけて「体が大きくて(名前が)レオなので、デカプリオです」と笑った。

 今夏から11本塁打を量産する長距離砲だ。広島にドラフト4位指名された坂倉将吾捕手(3年)は「飛距離は自分とは比べものにならない。ついにやりましたね」と喜んだ。小倉監督も「バットに当たる確率は低いけど、高山(阪神)よりも飛ばすよ」と言った。

 センバツ行きをかけた決勝は、早実・清宮との「怪物対決」。足のサイズは、32センチの金成が1センチ差で上回る。「清宮は意識していたので、早実とやりたかった。飛距離なら負けない」。高校通算74発の相手を驚かせる、特大アーチをかけるつもりだ。【鹿野雄太】

 ◆金成麗生(かなり・れお)1999年(平11)7月30日、神奈川・相模原市生まれ。小1から相武台レッドジャガーズで野球を始める。相陽中では相模ボーイズに所属。3年春に全国大会出場。日大三では2年夏に投手から一塁手に転向。今大会は背番号「3」でレギュラー。父はアメフット経験者の米国人で、母は日本人。193センチ、101キロ。左投げ左打ち。