早実の野村大樹内野手(1年)が、高校通算23号を放って「清宮超え」を達成した。7回の第4打席、一塁に清宮を置いた場面で内角直球を左中間席にたたき込んだ。清宮が1年秋までに放った22発を上回る会心の一撃。「打った瞬間に入ったと思った。1本打って、清宮さんを超えたいなと思っていた」と喜んだ。

 4番の役割を果たした。初回は3番清宮の四球の後に中前へ先制打。3回も清宮の二塁打に続き、左越えへ適時三塁打を放った。3安打4打点の大爆発。「あの人(清宮)は歩かされるんで大変ですけど、もう慣れました(笑い)。ベンチから配球を見て、狙った球を打てた」。中学時代の捕手経験を生かした鋭い読みと勝負強さを発揮した。

 今夏の新チーム結成から約3カ月で17発。苦手だった変化球を克服し、清宮以上の量産態勢に入った。頼れる後輩に、清宮は「たくさん打ってくれる分には、超してもらっていい」とエールを送った。野村は「内容はまだまだだし、実力は清宮さんを超えてない」と言った。試合前日に好物のステーキを「めちゃくちゃ食べる」という1年生4番が、先輩の背中を追って打ちまくる。【鹿野雄太】