彗星(すいせい)のごとく現れた作新学院(栃木)今井達也投手(3年)が、国内外でその名をとどろかせドラフト1位に上り詰めた。

 夏の甲子園では5試合41イニング616球を快投し、3874校の頂点に立った。「甲子園優勝なんて奇跡と思うくらい信じられない。実力以上のものが出せた」と振り返ったが、紅白戦の前日もブルペンで100球を投げ込み、夏も炎天下で走り込んだたまものだった。U18(18歳以下)アジア選手権(台湾)では背番号18を背負った。「投手陣の中心になってやっていきたい」とエースの自覚を示して奮闘。横浜・藤平、履正社・寺島ら最強投手陣を引っ張りアジアNO・1に輝いた。投げるたびに自信を深め「将来は日本を代表する投手になりたい」と目をキラキラさせていた姿が忘れられない。

 2年夏の甲子園はベンチを外れ秋は県4強だった。今春は県8強。当時、今井のドラフト1位を想像する者はほぼいなかったはずだが、努力に結果が伴い最高のサクセスストーリーが完結した。FA移籍した岸がつけていた背番号11を引き継ぐプレッシャーをもはねのけ、プロでも頂点に立つに違いない。【和田美保】