東海大静岡翔洋(中部1位)が、センバツ出場の静岡(推薦)を破り、初優勝を飾った。3回裏に3点を先制されるも、7回表に4点を奪い、4-3で逆転勝ちした。静岡には昨秋の県大会3位決定戦で敗れ、センバツへの道を阻まれたが、元巨人の原俊介監督(39)の指導で選手が結束。見事にリベンジを果たした。

 9回裏2死二塁のピンチ。4日の藤枝明誠戦でサヨナラ打を放った村松開人内野手(2年)を打席に迎えても、エースの飯沢万里投手(3年)は強気だった。追い込んで投じたのは、内角高めの直球。狙い通り、空振り三振に仕留め、雄たけびを上げた。リベンジ完結。マウンドには瞬時に歓喜の輪が広がった。

 飯沢 最後も強気で攻めることができました。ここまで長かった。勝ててうれしいです。

 3回に4連打とスクイズで3点を献上したが、頭の中は冷静だった。「4回は1番からの攻撃。リセットして初回のつもりでいきました」。4回以降は130キロ台の直球を内外に投げ分け、9回まで1安打に抑えた。飯沢はバットでも見せた。0-3の7回2死一、二塁から2点適時三塁打を放った。これで打線が勢いづき、9番平嶺大和(3年)が同点打。2番森千明主将(3年)が勝ち越し打と続いた。

 悲願の初優勝を遂げ、昨年4月からチームを率いる原監督は、感慨深げに言った。「子どもたちには『一緒に夢を追いかけよう』と言ってきました。野球はもちろん、学校生活や寮生活を含めて一生懸命やった成果。価値ある体験になったと思います」。