<全国高校野球選手権:九州国際大付8-4常総学院>◇8日◇1回戦

 27年ぶり出場の九州国際大付(福岡)が開幕戦で常総学院(茨城)を破り、春夏通じて甲子園初勝利を挙げた。第91回全国高校野球選手権大会は8日、甲子園球場で開幕。九州国際大付は序盤に0-4とリードを許したが、4回に打者11人で5点を奪う猛攻で逆転。11安打8打点と自慢の豪打で勝利をもぎ取った。

 この夏1番に九州国際大付の校歌を甲子園に響かせた。春夏通じて4度目の挑戦で初めての甲子園勝利だ。「僕たちが九国の歴史をつくったというのは最高です」。小林知弘主将(3年)は胸を張った。

 開幕戦で硬くなるナインの中で1人のびのびプレーしたのが、この夏初スタメンに抜てきされた1年生の三好匠だ。4点ビハインドの3回には初打席で中前打で反撃の突破口を開く。4回には1死一、二塁から左中間を破る三塁打を放ち同点にした。「スタメンは入場行進のときに言われました。スタメンとは思わなくて緊張しました」と三好は控えめに笑みを作った。福岡大会では途中出場2試合で3打席無安打。若生正広監督(58)は「昨日の練習ではいい振りをしていた。技術は素晴らしい選手ですよ」と期待に応えた1年生の活躍に目を細めた。

 バントで揺さぶる常総学院の攻撃に守備が乱れ、序盤3回で4点を失った。昨秋は九州大会準々決勝で神村学園に敗れセンバツ出場を逃したが、序盤にミスを連発して失点を重ねたのは全く同じ展開。「去年の九州大会を思い出しました」と5番河野元貴(3年)は言う。

 だが、そこから逆転したのがひと冬の成長の証だ。九州大会敗退の翌日から1日1000回の腹筋背筋をこなすなど大学生以上に厳しいトレーニングを積んだ。練習で得た自信とパワーが11安打8打点という逆転勝利に結びついた。

 若生監督にとってもリベンジの舞台だった。03年夏、東北でダルビッシュ(日本ハム)を擁して決勝に進出したが常総学院に敗れ準優勝。「木内さんに勝てたのはめちゃくちゃうれしいね」と04年以来の甲子園勝利を喜んだ。次は樟南(鹿児島)との九州対決。初戦突破で波に乗るナインがさらに勝利を重ねていく。【前田泰子】