<春季高校野球北海道大会:札幌南5-4札幌国際情報>◇8日◇札幌地区1回戦◇麻生
道内10地区のトップを切って札幌地区が開幕、札幌南が札幌国際情報を下した。主将の小野田幸紀投手(3年)が被安打10、与四死球4で4失点と乱調。一時は3点差をつけられたが、四球に単打、敵失を絡めた粘り強い攻撃で逆転した。南北海道4強入りの昨年は大間幹起投手(よしき=筑波大1年)という大黒柱がいた。今年はベンチ入り18選手だけでなく、スタンドの部員45人、女子マネジャー5人を含む総勢68人の「束の力」で春1勝をものにした。
簡単には勝利を手にすることはできなかった。2点リードの9回、札幌南の左腕エース小野田は札幌国際情報の9番打者に左翼席にソロ本塁打を打たれた。「走者がいないほうが投げやすい」と気持ちを切り替えてすぐに2死を取ったが、また安打を浴びる。暴投で一打同点の場面、最後は見逃し三振に取ると「やっと勝てたあ~」と笑顔で引き揚げた。
打線も5回まで無得点の苦しい展開。特に初回1死満塁の好機を生かせなかったのが響いた。逆に相手に1点ずつボディーブローのように加えられた。だが、6回に3四死球に2安打、犠飛を絡めて3得点を奪い、やっと流れを引き寄せた。8回も死球に敵失、暴投に適時打で2得点し勝ち越した。小野田は「しっかり守り、皆があきらめないで何とかつないでいった。勝ててホッとしました」と、苦しみ抜いてつかんだ勝利を喜んだ。
発展途上の春。昨夏ベンチ入りは4人、残りのスタメン5人は昨秋からで、まだまだ経験不足は否めない。この春の練習試合では5勝10敗、負けはミスが出て大量失点になることも多かった。試合後、控室から苦笑いを浮かべて出てきた池田賢監督(44)は「9回もただでは終わらないと思っていました。こんなタイトな試合経験は大切。内容はともかく、最後まであきらめないで食らいついたのが良かった」と話した。
実は昨年チームも春の段階では経験不足だったが、春1勝をきっかけにグングンと力をつけ、春季全道8強、夏の南北海道4強入りまで成長していった。それを知る池田監督も「また次の試合ができることが1番の収穫」と言い切る。チームは00年夏以来の甲子園出場を目指している。選手全員で「夏4強をクリアしよう」と確認した。そのためには野球部68人全員が力を伸ばすことが必要。少しヒヤヒヤだったが「束の力」でまず1歩を踏み出した。【中尾猛】

