<高校野球春季北海道大会:札幌光星2-1千歳>◇16日◇札幌地区Bブロック代表決定戦◇札幌円山

 札幌光星が延長10回サヨナラで千歳を破り、16年ぶり9度目の春全道切符を勝ち取った。10回裏2死一、三塁から、2番小谷健太郎遊撃手(3年)が中前へ決勝打。左肩の故障から復帰し、毎回の14三振を奪って5安打1失点に抑えたエース上出雄司(3年)の力投に応えた。オフから取り組んできた自主性野球が開花した。

 札幌光星のベンチで、合坂真吾監督(36)の怒声が響いた。10回裏の攻撃前。「上出が頑張って投げているのに、お前らは何をやっているんだ!」。1年秋に左肩を痛め、今予選でマウンドに復帰した左腕の球数は、目安の100球を30球超えていた。2死一、三塁。打席に立った小谷は「ここで決めないと」との思いをバットに込めた。初球の直球をたたいた打球は中堅へ。サヨナラだ。殊勲の小谷は、歓喜の輪の中で上出に「早く決めなくて悪かったな」と声を掛けた。

 「やらされる野球」から「考える野球」へ-。昨秋の全道は初戦の2回戦で、北見北斗に1-5で敗れた。「ひどい負け方をした。力の1%も出せなかった」と合坂監督。オフは選手の自主性を重視する指導に切り替えた。プレーする目的、練習内容の意図までを1人1人に考えさせた。

 変化が表れた。選手自らの考えで、新たに「責任者制度」を導入。主将、副主将のほかに各ポジションごとに責任者を設けた。やる気のない選手がいれば、それぞれがゲキを飛ばすなど、互いに意識を高め合った。「内野責任者」に任命された小谷は「前までは言われなきゃ行動できなかったけど、それじゃ勝ち上がれないから」。合坂監督は「練習の雰囲気が良くなった」と手応えを感じていた。

 「投手責任者」として、投手陣をまとめてきた上出は「今日の投球は“上出”来です。小谷にはありがとうと言いました」と笑った。「全道では、自分たちの野球を心掛けます」と主将の斎藤誠人中堅手(3年)はナインの思いを代弁。秋とは違う、考えるチームは春全道の舞台でリベンジを目指す。【保坂果那】