甲子園から、数々の伝説を生んだ延長戦の熱戦が消えてしまうのか…。日本高校野球連盟が春夏の甲子園大会で、延長戦で塁上に走者を置いた状態で始める「タイブレーク方式」の導入を本格的に議論するために、4030すべての加盟校対象のアンケートを行うことが13日、分かった。

 試合の早期決着を図ることで、選手の健康管理につなげるのが狙い。今月10日付で各都道府県高野連に送付しており、現場の多くの指導者から支持を得られれば、最短で来夏から導入されることになる。

 横浜・渡辺元智監督

 健康管理の面に、きっちりした裏付けがあればいいと思います。名勝負が少なくなってしまう可能性はあります。どこか意図的になることで、「人対人」の戦いに興味が薄れてしまうのではないかと。個人的には、9回でタイブレークというのは、どうなのかなという気がしています。

 帝京・前田三夫監督

 今まで通り、決着をつけた方がいいというのはあります。勝負しないで、逃げの部分が出てくるとか、野球が変わる感じがしますね。決して反対ではないですが、ピンとはきませんね。

 智弁和歌山・高嶋仁監督

 15回に変更された時でも、もう18回戦うことはないのかと寂しく思ったくらいなので、今の形で決着をつけたい思いはあります。ただ投手の体調を考えれば仕方のないこと。導入となればしっかり練習します。

 龍谷大平安・原田英彦監督

 反対です。タイブレークで勝つにはどうすればいいか、と考えることで野球が変わる。先を考えて選手起用も変えざるを得ない。投球回数制限や天候に左右されずに休養日は確保するなどの方法を検討していただければと思います。

 大阪桐蔭・西谷浩一監督

 延長は延長の醍醐味(だいごみ)がありますし、通常の形で決着をつけたい気持ちはあります。ただ翌日再試合というのは、選手への負担は重い。延長15回までやって決着がつかなければタイブレーク方式なら、致し方ないかなと思います。<斎藤佑は「歴史は変わるもの>○…06年夏の甲子園決勝で再試合を経験した日本ハム斎藤は「(高野連は)高校生の体のことを考えて最善の方法を、と考えていると思う」と冷静に受け止めた。田中を擁する駒大苫小牧と死闘を演じ、自身4連投で頂点に上り詰めた。「(再試合制の)そういう歴史は、変わるものですから。でも、どっちがいいのか分からない」と話した。