<高校野球福岡大会:西日本短大付12-4東海大五>◇19日◇5回戦◇筑豊緑地

 プロ注目右腕の西日本短大付・小野郁(ふみや=3年)は「血染めの力投」で準々決勝へ導いた。東海大五撃破に貢献だ。4回戦(14日)の福岡大大濠戦でつぶした右手中指のマメと同じ箇所が、6回途中に再び破れた。今夏1人で投げ抜いている疲れからか、最終回に2点を失った。だが炎天下、今大会最多173球を投じての完投勝利だ。9回にはスクイズも決めて今大会初打点。「やってきたことを信じれば勝てる。次もバックを信じて投げたい」と意気込んだ。

 東海大五との5回戦は投球を研究され、配球に苦しんだ。この日、8安打を浴び4失点した。それでもプロ複数球団の評価はいぜん高い。10三振を奪いこの日最速147キロの力投に、阪神田中スカウトは「1年の時から見ていて速かったが、今は強い球を投げられる。制球も良くなっている。いいですね」とうなった。

 準々決勝はリベンジの思いが強い。九州国際大付は、昨秋の福岡県大会決勝で完敗を喫した相手。「大差で負けたのでリベンジしたい。九州国際大付に勝たないと次はない。もっと上のチームとやりたいので、準決勝に必ず進み、その流れで甲子園に行きたい」と意気込んだ。